【アニメ】『殺戮の天使』を聴く、の巻

『殺戮の天使』第2話 アニメ

ひっそり放送中な『殺戮の天使』を観ていると、効果音や環境音の聴こえ方が他作品とはひと味もふた味も異なる印象を受ける。

例えば、

隣の部屋から聴こえる墓石の崩れる音、老朽化したエレベータの軋む音、
隙間から吹き抜けてくる風の音、水路を流れる水の泡立ち──

 

「音」と一口に言っても、セリフからBGMまで画面から聴こえるsoundにもいろいろと分類はあるし、「環境音」もどこまでのsoundを含めるべきなのかはあまり正確なことは言い切れません。そのあたりは捉え方の境界線が曖昧になっているかもしれません。不勉強をお許しくだしいな。

ともかく、たまにヒヤッとさせる音使いがちょっと楽しみになっている。

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わざとらしくない環境音

「音響アニメ」と呼んでもいいくらい(特に)環境音がリッチだ。逆にBGMは仰々しい……。
無音でもなく、BGMが鳴り続けるでもなく、うるさくない程度にさらさらと、音が遠くで聞こえる。まるで『トゥームレイダー』や『クロックタワー』をプレイしているみたいに、静寂のなかで何かがひっそり進行しているような不安にさせるモードを放っている。『Dの食卓』がやりたくなってきている。

風が吹いていることにレイチェルが言及する30秒も前から風の音がうっすらと入っている。贅沢だ。最初、自室の窓が空いているのかと思ったくらいだ(嘘

ヘッドフォンを装着して視聴していると、周りの音が聞こえづらくなったりするものです。しかも、カメラにも映っていないものから生じる音が鳴ったりするので、モニターのこちら側で実際に何かの音がなったんじゃないかと錯覚するくらいに不思議な感覚を受ける。

その臨場感たるや。

作中で電話が鳴ったりすると、「自分のが鳴ったのかと思った」なんて感覚を覚える人がいるらしいですが(私は未経験)、それのレベルが上がったバージョンだと思ってもらえばなんとなく納得かと……。「いまの作中の音? それとも玄関に誰か来た?」みたいな。

環境音なので、そこまでカメラも発生源に寄ったりしないんですよ、基本的には。後ろや画面の隅に映ったりはするものの、画的に重要でなければ前には出てこない。
そのさらっとした仕上げと急にくる距離感がアトラクションっぽさを出してるんだと思います。

原作は2016年に発売されたホラーゲームなので、その雰囲気をそのまま持ち込んでみようなんて企みが──視聴者がプレイヤーになって一緒にロールできるような臨場感を目指したんじゃなかろうか。

その臨場感に一役買っているのが、「音の出どころ」だと私は考えている。

立体感とリアリティ

ときおり差し込まれる、実音として鳴っている音(軋む音や崩れる音)が聞こえるときの妙にリアルな耳との距離感。画面の中からじゃなくて、耳の横から聴こえてくる臨場感。バイノーラル感。ASMR!!!!

わかりやすいバイノーラル録音といえば、サカナクション山口一郎氏のスクール・オブ・ロックのこの授業。この解説は面白かったです。ヘッドフォンかイヤフォン必須なので!

BEST ※イヤホン・ヘッドホン必須※【Xmasスペシャルウィーク】Tokyo Fm:サカナLocks! 『バイノーラル録音』 サカナクション 山口一郎先生 2015.12.17

VtuberやSHOWROOMでも囁き系の配信がこっそり人気があるようで、これから需要と供給が増えていくのかもしれない。吐息がマイクにかかっての音割れが大嫌いなので、私はハマりそうにないですけど……。

耳元での囁きが案外好きだって人は「ASMR」で検索したあとに「男性、女性」とかで絞っていくと面白い体験ができるかもしれません。

by カエレバ

 

作中のリアルな距離感

それはさておき、真偽は不明ながら、
「この効果音(環境音)はバイノーラル録音したのでは?」と思うような箇所が『殺戮の天使』作中にたまに出てくる。あくまで私の推測なので、実際はプラグインでそれらしく加工が施されているだけ(それでもスゴイ)の単純明快なお話かもしれない。でもですね、音の定位を一番左に持っていったとしてプレートリバーブだけであの感じが出せるのかなーって、そんな疑問のほうが大きいんですよ。

第2話でいうと、墓を破壊(ふふっ)するザックの様子から隣の部屋にいるレイチェルに移ったあと、「ガラガラーン」と鳴る音が左耳のほうから聴こえてくるでしょう。あれです、あの臨場感の正体を私は知りたい。

 

『殺戮の天使』第2話より

 

本作の舞台はちゃんと説明されていないんですが、どうも大きな建物の内部のようで、基本的に物が少なめで伽藍の洞って感じなんです、いまのところ。なので、声の反響なんかを少し目立たせるつくりにするのは理解できるし、すくい上げられるんですが、さっきの「ガラガラ」はまったく別種の響きじゃないですか。あとは二人の会話のテンポもまったく考慮せずに鳴るエレベータの軋む音とか(←第3話のラスト付近がわかりやすい)

『殺戮の天使』第2話
『殺戮の天使』第3話より

お話は……

あんまり乗ってこないです。みんな狂ってると沸点が下がる。

音目当てでいまは視聴継続している状態です。
EDのよくわからないスケール感は好き。

音響制作はグロービジョン。怪物音響ドルビーアトモスを最初に録音スタジオに導入した会社で、『ポプテピピック』『亜人』『BLAME!』から『サザエさん』まで、アニメにとどまらず実写や吹き替えにおいても多くの作品を手がけてます。

で、音響効果を調べようとEDクレジット見てもどなたのお名前もなくて、公式HPを覗くと音響監督と音響効果は岩浪/小山ペアでした。この流れでいくとおそらく録音調整は山口さんなのでは?

よくわからん。

参照リンク

TVアニメ『殺戮の天使』公式サイト

グロービジョン株式会社

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