【アニメ】境界線演出が光る『はるかなレシーブ』第1話のメモ感想

はるかなレシーブ 第1話 アニメ

うおっ、まぶしッ(照り返しが

 

境界線演出というのは、キャラクターとキャラクターの間に便宜上の”ライン”を引くことで両者の関係の分断を示唆/暗示させるものである。

分断と言ったけれども、もう少し細分化すると「対立、死別、裏切り、嘘」など受け取り方は様々で自由である。分断に用いる”ライン”もまた様々で、画面手前に物理的な棒状のものを置いたり、遊具で囲ってみたり、影がかかっている/いないで明暗をつけたりもする。あくまでも見かけ上で成立させる演出技法なので、画面分割とは別の演出技法だと考えてほしい。

 

例えば、『聲の形』における西宮硝子と植野直花の対立関係。

聲の形 西宮硝子
『聲の形』より

植野のほうから、西宮硝子に対する壁を作っているのが伺える。手前の木の右側には遊具があり、左側には遊具はない。遊具は子供(あるいは幼稚性)と結びつくアイテムなので、植野の粋がりも垣間見える構図でもある。

レガリア 第1話
『レガリア』第1話より

 

レガリア』では、カタギと裏社会の入り口として日照と影の境界線が引かれた。こういうのはよくある。凡。

 

少し発展させて(?)、引いたラインの上と下をぐるっと伸ばして輪っかみたいに繋げると、内と外の境界線になったりもする。どっちが内でどっちが外かは君が決めればいいと思いますがともかく、そういう見せ方もあり。

ラインに用いるものは何でもいい。木でも常夜灯でもストローでもテーブルなんでも。校舎の門扉だっていい。細くても太くてもいい。素材は何でもいいということは、裏を返せばセンスが試されるということでもある。

「あ、そんなもので境界をつくれるのか。そこからカメラで抜けばあれが境界線になるのか」

そんな驚きと発見。映像を観る意味はここにあると私は思います(照れ

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タクシー内の境界線

はるかなレシーブ!』の比嘉かなたは内気な少女である。
対人関係の構築は不得意で、幼少からの付き合いですら時間が空くと距離が空いてしまう。
距離を取る=壁を作る、つまりかなたのATフィールドがタクシー内で展開されているというシーン。
パイ/スラに視線引っ張られてる場合じゃないですよ!

はるかなレシーブ 第1話 はるか
『はるかなレシーブ』第1話より

いい。

運転者、運転手のガード用というか、なんて名称なのかイマイチ知りませんけど、この防弾ガラスのようなプレートと逆L字型になった枠が外部との境界線に。消極的な性格、引っ込み思案な性格(と主に過去の経緯)から殻をつくってしまう。そんなかなたの心境が世界との境を生むわけです。

プレートを使った分断のやり方は観たことないのでフレッシュだなあ。

演出もさることながら、お話の構成に目を向けても見事なもので、かなたの気分をブルーにさせたはるかの「私とおんなじくらいの身長かと」なんて発言や、自分の身体が小さいことを自虐的に言った「大丈夫です、私の部屋、広いので」など、後々(第3話/第4話)になって明かされる、強いスパイクを打てる条件、かなたの葛藤への布石がすでに置かれていてシビれる。

ただのとっつきにくい性格の持ち主、ではなくて、それなりに背負ってるものがあると。見返して気づける部分かもしれないけれど、その……好きです(まとめろ

 

はるかなレシーブ 第1話 はるか

再度、枠のなかにかなたの顔。

二枚目(二回目)はちょっとやりすぎというか、あからさまさが無理をしている観もありますが、「境界線? 知らねえ」って具合に壁を溶かしてココロの領域に入ってくる はるかの性格の表現でもある。

せっかくのおいしい境界線演出なのでみんな気づいてくれって念押し、というのはあまり面白くないので半分でっちあげ。

『よりもい』の囲い境界

思い出したようにちと脱線。

かなたのように殻をつくる、内側に留まる演出で思い出したのが『宇宙よりも遠い場所』第4話の公園での会話シーン。

宇宙よりも遠い場所 めぐっちゃん
『宇宙よりも遠い場所』第4話より

 

第4話……で合ってるよな? 公園、だったよな?

南極行きを決意したキマリと心配する様子のめぐっちゃん。

外へと出ていくキマリと、囲いの中に留まるめぐっちゃんの対比であり、二人の間には太い断絶がある。これもひとつのトリカゴであったのだ。

まあ、めぐっちゃんのこのあと、このずーっとあとのことを思い返すと、二度美味しいみたいなカットですよね、これは。

コートにまつまる境界線エトセトラ

ネットを挟んでの対峙は進行上たびたび出るので、演出とも呼べないようなもんですね。

以下、さらっと。

はるかなレシーブ 第1話
『はるかなレシーブ』第1話より

 

エースという言葉に過剰に敵意むき出しの成美と、遥。どっちかっていうとはるか側のかな恵。1vs2

 

はるかなレシーブ 第1話 はるかなレシーブ 第1話
『はるかなレシーブ』第1話より

 

ガチ勢andエンジョイ勢と、ビーチバレーに対して素直になれないかなた。コートのサイドラインとポールで分断された位置関係。1vs3

境界線を超えて

はるかなレシーブ 第1話 はるかなレシーブ 第1話 はるかなレシーブ 第1話
『はるかなレシーブ』第1話より

 

試合後、握手をする遥と成美のふたり。

境界線をキャラクター(の部位)が超えることで、打ち消し演出にも転じる。二人の間のわだかまりは消えたというサイン。

 

はるかなレシーブ 第1話
『はるかなレシーブ』第1話より

 

これはちょっと勘ぐりすぎかもしれないが、まあいい。

かなたの家の縁側に並んだ履き物のカット。
左から、遥・かなた・おばあちゃん(比嘉ソラ)となっている。少し前のカットで遥とかなたのサンダルは確認できます。

礼儀としては若者ふたりの脱ぎ方がふさわしくて、自分の家の意識が強いぶんおばあちゃんは前向きの脱ぎ方になっているんだと思う。もしかしたらおばあちゃんには外国の血が流れているかもしれない(危険な表現)

それはともかく、石段の繋ぎ目が、遥/かなた・おばあちゃんペアで区切られている。

加えて少し距離も置いているので、遥はフレンドリーな性格でありながらも、他所のお家にお邪魔している自覚もあったりして、かなた家に少しばかりの遠慮がまだ残っている。これはそういうカットなんじゃないかと思います。

『はるかなレシーブ』第1話

脚本:待田堂子
絵コンテ:窪岡俊之 演出:池下博紀

 

以上、『はるかなレシーブ』第1話と境界線の演出についてでした。

 参照リンク

TVアニメ『はるかなレシーブ』公式サイト

TVアニメ『宇宙よりも遠い場所』公式サイト

映画『聲の形』公式サイト

MIKASA│カンパニートップ

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