クールと狂うが掛かっているわけではない。
奇しくも劇中のキャラクターを名前がカブる事態になってしまった。『金田一少年の事件簿』以来だ。「汚いロリコンの折田議員」と私は一切関係ないです。私もフィクションです。
カタルシスは起こりませんが、面白いは面白いという、よくわからないアニメになってきました。見どころはあるってことですかね。なにを偉そうに。
4話まで観たのですが、1話ごとに触れるバイタリティはないので掻い摘んでの雑記です。
サブタイトル出し→台詞被せがカッコイイ
第1話はAパートの始まりからしてサブタイ(各話数のタイトルの意)が出ていたので、そこに教師の台詞が被さって物語が進行していく──言ってしまえば平凡な始まり方だったわけです。
しかし2話目以降は少し演出が入ります。
第2話の場合
Aパートが始まる→夢子達が皇の噂話をする→皇が二人の会話に割って入ってきて夢子との初絡み。
この割って入ってくるタイミングでサブタイトル、ドーン!
皇 伊月「はじめまして!」 (BGMもキックが強く鳴って緊張感が生まれる)
いい。
4話まで観ましたが、この台詞被せの手法は継続していきそうです。
特にタイミングとBGMが噛み合ってて素晴らしいのは第2話。皇の声が画よりも先行してくることで、皇が先手を仕掛けてきた感が際立っている。
戦いはすでに始まっているんだ、と印象づける演出。いい。
文字だけの一枚絵に音声(台詞)が後ろで入ってくるこの感じ。
どこで観たっけなあ、と思い返すと、次回予告に近いですね。
次回予告の2パターン
最近の次回予告って(昔も半分以上はそう)、次回の映像が流れるじゃないですか。当たり前っちゃ当たり前ですが。次回の映像が流れて、煽りっぽいナレーションなんかがあって「次回、城之内死す!デュエルスタンバイ!」的な流れで締める。
やめて!(以下略
次回予告をしない次回予告も珍しくなくなった昨今ですがそれは置いといて、一枚絵ではないにしろ少ない枚数かつ次回の映像を使わなくてキャラクターが喋ってるってものでぱっと浮かんだのが『化物語』の次回予告でして。あの感じですよ。一本テキストが入ったりして。
とかを思ったりしたしだい。ここから発展できず。
第2話のジャンプカットシークエンスについて
昔読んだ映画の本には「ジャンプカット・シークエンス」って書いていたのにいま検索しても出てこない。洋書を訳したものだとこういうことが珍しくないからちと困る。まあ呼び方が統一されていないのも要因の一つ。ヒッチコック『めまい』のあの特殊なズーム&ドリーのショットもいまだ呼び名が映像の現場でも統一されていないようですし。私はバーティゴショットって呼んでますが。話が逸れた。
で、ジャンプカット・シークエンスというのはどういう技法を指すかと言いますと、
一連のアクション(シークエンス)の途中途中を切り取って(削ぎ落として)省略化したもの
という定義付けで大方間違いないと思います。(別に引用ではない)
『賭ケグルイ』2話、クラスメイトの「ミケー、コーヒーこぼしたから掃除しといて」に対する早乙女ちゃんの行動を見てみます。
「①掃除箱を開けて②バケツを取り出し③水を張って④雑巾を絞って⑤コーヒーがこぼれた床を拭く」
この5つの映像を抽出することで一連の流れを省略化。厳密なラインだと、コーヒーを拭いているカットは通常スピードに戻っているので、「コーヒーを拭くカットが出てくるまで」がジャンプカットシークエンスの範囲──になるはず。ちょっと自信ないです。
実際のシーンでは、掃除箱まで歩いたり教室を出ていったり戻ってきたりコーヒーの前でしゃがんだり、とアクションはあったはずですがそういう部分は省いても行動の流れは視聴者に伝わるんです。
もうひとつ、ダブル神経衰弱のカードを巻くシーンでもJCシークエンスが。
実際こんな手際よくはいきそうもないが、手間取ってみせたリアルっぽさも面白くはなさそうなので、余分な部分はカットしてテンポよく展開していく。
天気とシンクロしていたのは?
アバンの通学カット。雨が降ってるんだけど、エレクトリカルパレードふうなBGMとイチャコラ会話&夢子の紅潮した顔アップで陰鬱な印象は限りなく薄い。
その後もちょいちょい校舎を映しては雨模様をカメラに収める。何か意図はあるよう。
トリック見破りの伏線になるのかも……と思いきや、結果トリックとはたぶん関係ない。仮に晴れていた場合、気温や室温に影響は出そうだけど、そういう感じでもなかったし。皇が降参して、夢子が「つまんない……」と言い放ったあとに晴れ間がさして明るくなる。
勝負が終わって嵐が去った的なことか。あるいは夢子のボルテージや心の平穏に合わせたのか? これもなんかしっくりこない。ちょっと結びつきが弱い。
単におっかない演出だったのかな。
もっと焦らしてくれ
あと、構成的に問題ありだと思うのが、
「だって私、伏せカードのうち半分の52枚が何のカードかわかってるんだもん」
って発言から間髪入れずにダイレクトでネタばらしに行くのは間違ってると思うんですよ。視聴者に「なんだってー!? でも一体どうやって……」のシンキングタイムを与えるべきだと。20秒でも10秒でもいいから。
そのあとのかばんにホッカイロが云々の時間停止ゾーンに入るときも、まずは色味の高い夢子や鈴井を一回フレーム内に映そう。色抜いた背景と机だけだと時間停止中ってわかりづらかろう。天気が悪くて部屋のなかも大して明るくないんだし。モノクロになってる夢子を映して時間が静止していると伝えてから、皇は自由に動いてネタバラシを始めよう。
二回戦目の初手。いきなりダイヤの6を揃えますが、二枚目に引いたカードと一枚目に引いたカードを同時にフレーム内に映さないと揃った感でないよなーと。画面分割でも俯瞰でのショットでもいいけど。ズームでカットを繋いだから「アクションの繰り返し」のほうで勘違いしてしまいそう。
生徒会の絵画
主に2話のお話でした。まとまらないのでこのへんで。
生徒会室に大きな絵が飾ってあるんですが、あれ夢野久作『ドグラ・マグラ』の表紙に質感似てるかなー? ニテナイカナー?という勝手な妄想。
改めて見ると全然似てねえわ(おい
日本の推理小説三大奇書のひとつ『ドグラ・マグラ』ですが、読破すると精神に異常をきたすと言われているなんとも奇妙な小説です。
息子が「ドグラ・マグラ」という本を持ってます/yahoo知恵袋
この上のベストアンサー好きなんですよ。
精神に異常──つまり「狂ってしまう」というあたりがこの作品のキモ「狂気」と結びつけているんじゃないかな?気づいた私スゲー、と思ってましたが、十中八九関係ない思い過ごしですので本気にしないでください。
そんな感じで〈アニメ『賭ケグルイ』4話まで観る。特に凝らない雑記〉でした。
おしまい。
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