【アニメ】人類史とともに『けものフレンズ』が迎える終焉と終園のお知らせ【1~5話】

【この記事のこと あなたの周りにも拡めてくれたら それはとってもうれしいなって】

けものフレンズOP

きみも火曜日が待ちどおしいフレンズなんだね!

──なんて
そこまでIQ下がったふりをするのも疲れるのでいつもどおりに。
火曜日の深夜を楽しみにしているのは事実だったりする。

「今期のラインナップ中、観ていて面白い&未視聴の方にオススメしたい作品を五本選べ!」という質問があれば、私なら迷いなく三本目、四本目あたりに『けものフレンズ』を組み込みます。現在それくらい惹かれている作品なのですが、会話の端々に漂う不穏さたるや筆舌に尽くしがたいものがある。(使い方正しいのかな?)

このページの目的は
①新たに火曜日を待ち望むフレンズを増やすこと
②視聴中だけども不穏ポイントを見落としているかもしれないフレンズの認識を補完すること

──である。助け合い・情報の共有<フィードバック>って大事。

布教はするけど不協和しない、的な。

いびつでやさしい不思議な箱庭「ジャパリパーク」を考察

こないだのメモ日記でもふれたけど、『けものフレンズ』……どこから切り込んでいいのかわからない。

作品を受容することへのスタンスについて(そんな難しい話ではない

「三話まで観て惹かれなかったら観るのやめてもいいから」というのがやはり正攻法的なススメ方だと思う。三話そのものがしっかりとした出来だったうえ、おはなしの方向性も定まった観がある。三話までで惹かれないヒトは、最終話あたりで明かされるであろうあらかたの謎の正体を聞くまではもう興味も持ってくれないと判断するべきだと思う。

ステマの結果なのか自然発祥なブームなのか

いま、ビッグバン的ミームの要因・ウケている要因を大きく二分すると、

  • パークのフレンズの誰もが他者を否定せず認め合うやさしい世界の空気感
  • 理想的な環境である”やさしい世界”のなかで浮き上がりきらない歪な不穏さ

このふたつが視聴者へのフックになっているんだと思う。とりわけ私は下のほうに当てはまる部類。部類といえば、人間はサル目ヒト科ホモ・サピエンスサピエンスというところに分類されるらしい。学名はヒト、というのは中学あたりで習った範囲かしら。

第5話になっても解消されない不穏さの正体が気になって仕方がないのだが、前置きはこのくらいにして、一話から少しずつ振り返っていこうと思う。

未視聴の方へ向けて断っておくが、依然謎は謎のまま物語の水面下にあるので、大きなネタバレにはならないと思います。個人の見解も混じったりなので話半分で読んでくださいな。最終回あたりには、「なんで私はあんな思い違いをしていたのだろう」と後悔すること請け合い。

第一話「さばんなちほー」

けものフレンズ1話
『けものフレンズ』第1話より

一話は枯れた草原が広がるサバンナの風景から始まる。

人類史とのシンクロをメインに解説めいたものを。

アルディピテクス(アウストラロピテクスよりの古い人類系)など人類の祖先の発生は、アフリカ東部.エチオピアの大地溝帯であり、この地域は火山活動もさかんな地域であったために化石として当時の資料が残りやすい。

これをアフリカ単一起源説という。

この地域、もとは森林地域だったのだが、隆起帯が大きく形成されると赤道西風はさえぎられ、森林は乾燥化が進みしだいに枯れはじめる。そうしてできあがったのが一話冒頭のような木々の減少したサバンナ系地域である。木から木への移動が主だった類人猿などは絶滅し、樹木の減少により地上に降りての移動を余儀なくされた猿人は、環境に対応するべく進化し、直立二足歩行を獲得し生き延びた。という学説がある。

木の上で寝ていたサーバルが木から飛び降りたのは、もちろんサーバルキャットの性質に起因するものだが、人類誕生の学説をそれとなくなぞっていたのかもしれない。

ちなみにサーバルキャットはオスが縄張りを持ち、メスはオスの縄張りのなかで行動する。縄張りを主張したサーバルちゃんの発言はいささか不思議である……。オスメスの概念、性的二型の疑問が揺らぐ。シマウマを見つけられたのも視力が優れているというサーバルキャットの特徴を踏まえている。かばんちゃんはそこまでの視力はない。

主に物語を進めていくのは”かばん”と”サーバル”のふたりと、多くのフレンズから”ボス”と呼ばれているラッキービーストというガイドシステム。

”フレンズ”とは上の画像のサーバルのように、ジャパリパーク内に住んでいるそれぞれの動物の特性を持ったキャラクターのことを指す。ジャパリパークには木登りが得意なフレンズや泳ぎが得意なフレンズがいる。”個体”なんて言葉に置き換えても概ね間違いではない。

けものフレンズOP

OPより。左がボス(ラッキービースト)、中かばんちゃん、右サーバルちゃん。

これはノアの方舟を作ろうとしているところです、たぶん。終焉と終園のダブルミーニング。

かばんとサーバルの邂逅

「君は何のフレンズなのかな?」

もう恐い。

なんて棒読みなんだ……。

なつ「そこかよ」

それは冗談だが、若干の混乱があった。どう見てもかばんは人間である。生物学でいうならヒトである。そこをして「なんのフレンズなの?」という物言いには違和がある。
正直にいえば、この違和がはっきりと表面化して認識ステージにのぼるのは二話鑑賞中なのだが、話の流れのうえでここで触れておく。

とにかくサーバルの質問に対してかばんの口から自分は人間だという返答はない。記憶喪失にあたる状態になっているのだが、言語を使うサーバルの存在を、不安ながらも受容する。

こんなものはいわゆる”アニメ語”であり、進行上の最初の嘘であり、物語設定なのでとやかく言う必要もない。しかしこれらの設定への認識も全部ひっくり返されることになる。

かばんの口からは「あなたは、ここのヒトですか?」という問いがあり、ヒトの認識は少なからずある模様。

ぶつ切りな会話が生む違和感

かばんがサーバルに質問する。

「あなたはここのヒトですか?」(質問A)
「ここはどこですか?」(質問B)

するとサーバルは食い気味で「ここはジャパリパーク。私はサーバル」と意気揚々と返答するのだが、この回答は実際のところ質問Aには答えてくれていない。答えきれていない。

ぶつぎりの編集により謎は解消されたような雰囲気があるが、本質には触れないように立ち回った会話が本作ではよくみられる。このあたりは上手い脚本術。近年見飽きた、物語進行の都合上にマヌケなキャラを生み「なんでそんな大事なこと連絡しないんだよ!?」なパターンとは一線を画すものである。

としょかんに答えがある

さきほどのアフリカ単一起源説および人類史に話を戻しましょう。

人類はその後、”出アフリカ”といって、アフリカ東部から出て世界中に移動します。
”さばんなちほー”をあとにするかばん。ここも物語の進行とシンクしている。

かばんの出自を調べるために図書館に向かうことで物語は動き始めるが、ここでセルリアンという未知の存在が登場する。

けものフレンズ セルリアン けものフレンズ セルリアン

やさしい世界といわれているジャパリパークでも危険視されている存在はいる。大きさや色の違うタイプも出て来るが、総じてフレンズ達の外的かつ外敵な存在である。赤いタイプは友好的かもしれない。(推測)

生体は最新話(第五話)でも謎のままである。

ゲート前のあの叫び声ってトキの声なのかな、なんて思ったり。サーバルにしか聞こえていないっぽいし。金朋氏がクレジットされてないから違うのかな。

けものフレンズ1話 けものフレンズ1話

そして物語に異変をきたしてきた要因として、たびたび差し込まれる文明の痕跡。
文字があり記号がありプラスチックがあり科学がある。しかしヒトはいない。

ジャパリパークと呼ばれるこの世界の舞台はおおかたサファリパークからもじったものだが、フレンズたちのくだけた会話やIQの低い本能的な行動に気を取られてときどきそれを忘れてしまう。そのなかで突如放り込まれるヒトがいた形跡。

このあたりで「ここを管理していたはずのヒトはどこに消えたのか」「かばんはヒトではないのか」「時代は」「ここは日本なのか」「フレンズとは」など色々な疑問が湧く。

サバンナ地方を出たところでかばんの声に反応したラッキービーストが草かげから登場し、一話は終わる。

総括

つかみからばっちりだったかというと、決してそうではない。クソアニメの匂いはした。

だがしかし、ですよ。

一話を一分三十秒で視聴断念しただとか、あずまんがAパートでやめたとか、いろいろと感想文を観まして。冒頭の一分三十秒ってまだかばんちゃんを捕まえてすらいないですからね。そこで判断ってどんだけ時間無いのかと。こっちはキルミーをリアタイ完走したんだぞ。あぎりさん……

確かに、安っぽいモーションのアニメだなという印象は受ける。水しぶきなんかは特に。
しかし手描きの画でなく拙さの残るセルルックなタッチになっていることでよりホログラムっぽい感覚を際立たせ、「私が観ているのは全部幻想かアトラクションの類なのでは?」などといった「水槽の脳」のような別の不安さえ呼び寄せる。そんな狙いはないと思うが。

サーバルちゃんの演技も棒の部類に入る。しかしどちらかといえば”上手い棒”の部類でいまとなってはサーバルはこの声で大正解だとさえ思えてきた。

一話を最後まで観ると、よほどIQの低いヒトじゃなければ「何かおかしい。何かあるぞこれは」となると思うんですよ。どうやら物語のラインがふたつあるぞ、と。
私は公式でも制作側でもなんでもないのでこんな発言も許されるかと思いますが、

「一話で切るのは早計すぎますよ。せめて二話までは観るべき」

と改めて伝えたい。

初回特別編成みたいな構成で一気に二話まで放送(視聴)できてたら、広がり方も変わってたでしょうね。ニコニコも二話からは有料の壁が立ってたみたいですし。

(以下、二話以降文脈を追うのは効果的とも思えんので、ピックアップのみ)

ありがたいコメントご意見ご感想

  1. 名無し より:

    楽しく拝見させて頂きました。感謝です

    ところで、
    ×異物 ○遺物 では
    絶滅種や神話生物のフレンズも出てきたことですし

    • 名無しさん、コメントに加えそのような細部までじっくり読んでいただき、本当にありがとうございます。
      なるほど、遺物ですか。そのほうがしっくりする部分が多いですね。ダークに受け取りすぎました。
      ハカセの予想などはまったく的はずれでしたが、OPの画もかわり第二章が始まったようで毎週が待ち遠しいです。