その線を飛び越してこい!~イマジナリーライン解説編~

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イマジナリーライン

ブリュンヒルデのラジオ終わっちゃいますね、寂しいなあ。

ずいぶん間が開きましたが何の話でしたっけ?

なつ「イマジナリーライン?……の話ですって」

そうでした。前回から月を跨いでしまいましたが、肝心のイマジナリーラインは跨いではいけませんよ? ん?

なつ「別に上手くないし」

そうですか。というか、跨いでも別に構いませんが。

イマジナリーラインってなんぞ?

イマジナリーラインっていうのは、実写やアニメなどの映像に限らず・マンガなんかでも用いられる表現技法というか暗黙の了解みたいなもんです。マンガはちょっと例外にしたいですね。特殊なので。

もとは舞台演劇から取り上げられた概念です。観客は一方向からしか演劇を観れません。舞台に上がって反対側からどうなっているか、なんて確認はできません。だからその越えてはいけない一線がイマジナリーラインの発祥。そんなことをふまえつつ読んで下さい。

シーンごとに画をつくる場合、「どこにカメラを置いた映像なのか」を常に考える必要があります。 じゃあ、簡単な例を書いてみましたのでどうぞ。

  イマジナリーライン

二人の男性が待ち合わせしています。

絵が汚いので補足しておくと、奥はビルの壁です。二人が立っているのは歩道で、さらにこちらには車道があります。それは見えませんが。 今度は上から俯瞰した彼らの位置関係の図をどうぞ。

イマジナリーライン4

一枚目(カメラを配置しよう図)は手前(こちら側)から撮影しているので、Aのポジションから撮影してます。 ここまではいいですね? これがわかんない人は何回か読み返して下さい。

では先に進みます。 二枚目のまんなかに赤いヨコ線が走ってますね。これがイマジナリーラインです。わかりやすくキャラクターの後ろにまで突き抜けてますが、本来は被写体の間に想定されている線です。床の模様ではありません。

映したい対象が対峙・並んでいる場合にそのふたつを繋ぐようにして線は引かれます。視軸と云います。もちろん対物でも線は引けます。主人公とそびえ立つ時計塔とか、複数人キャラクタの出てくる円卓会議。 物理的な距離が離れている場合もあります。

彼氏と彼女が遠距離恋愛の状態で、どちらも部屋のなかから携帯電話を握りしめて相手のことを想像する──。『花咲くいろは』であったようなシーンですが、このようなシーンにもイマジナリーラインの概念は存在しています。 カメラで言うところのグリッドのような、ひとつの指標として存在しています。してまぁす。

イマジナリーラインの存在意義

なつ「そんな線引きが作法としてあることはわかったけど。で、どうした?」

この作法の役割というのは、位置関係を整理することにあるわけです。

本来は、と言ってしまうと誤解が生じそうですが、めったなことではそもそもラインを越えないはずである”。画面を作る時点で作者が違和感に気づくからである。(ちょっと訂正。作者が気づくとかじゃなくて、長回しワンカットのように一から順に撮っていけば越えようがないということ。逆にどうして越えてしまったかというと──下記参照)

だがしかし、完成品のお話の流れと同じように各シーンを撮影できるわけもなく、基本的には撮り終えた素材を編集して一本のお話として再構築することになる。この編集の段階でときとしてラインを越えてしまった画が生まれる。これはミスであり、観客に違和感と混乱を与えるだけである。

イマジナリーラインは観客を無駄に混乱させないようにする定規のような存在だと。

イマジナリーラインの失敗例

イマジナリーライン7
青森から青函トンネル使って北海道に上陸しよう。

青森陸地からトンネルに入ります。(動画だと思ってください)

イマジナリーライン9
二枚目、トンネル内。おもくそ中央線跨いでるよ、とかはなしで。

トンネルを抜けそうなタイミングでホワイトアウトなんかの効果をつけたりしてね。
境界の彼方」のOPっぽい感じで。

で、三カット目Aが来ました。

イマジナリーライン

──なんかですね、スッキリしません。青森に戻ってきたのかと思いました。 

しかし、もっと素直に”順接”な画面作りをするなら、こうでしょう↓↓

イマジナリーライン10

3カット目Bとしましょうか。これならトンネルを抜けて北海道に入ったイメージがすっと把握できます。

なつ「なるほど、言わんとすることはなんとなく伝わったような」

ちなみにラインは、こんな感じと思ってください。

イマジナリーライン12

三枚目Aでカメラがイマジナリーラインを越えてしまったので(上の写真でいえば赤線の左側からカメラを向けた状態)、車体の左側がこちら向きになってしまうのです。 バスと目的地である北海道の陸、あるいは車の進行方向で線引きを考える場合もあると思います。

(トンネルのなかのカットを挟んでいるから、ライン越えじゃなくてそれは回り込みだろ? と思った貴方ステキです。意味導入の簡単な例ですので、ご容赦下さいませ)

結局のところ、越えてもいいのか?

越えてもいいです。越えることは”間違い”ではない。少々型破りではありますが。

その違和感を少し間継続させて、ぱっと演出で立て直す。いわばミスリードの手法の一種ですね。台詞では表現できない・台詞で表現すると味がない・わざとらしい、なんてときも一線をこえたりします。ショックな演出がトリガーで越えたりはよくありますね。

 ※作者の意図が汲めないと、 ヤッチャタ感だけが残ります。

では続編として、綺麗な画の例題を見ながらどんな演出効果があるのか、読み取っていきましょう!

その一線を超えたら僕たちはどうなる。~イマジナリーライン検証編~
1クール1クールの切れ間、番組が移り変わる時期になると「この三ヶ月何してたんだろ……?」って気持ちに...(以下略

新しいヴァージョンも。

【アニメ】スクールガールストライカーズ2話における狭い室内のイマジナリーライン跨ぎ
面白くなーれ、なスクールガールストライカーズ。久々にImaginarylineのお話

by カエレバ


SHIROBAKO』面白いですよ。見逃しているひとは是非。

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