【比較レビュー】「TT-BH07」と「Q12」はどっちが快適か

TT-BH07とQ12 機材レビュー
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最近もっぱら外出のお供になっているBluetooth(ブルートゥース)イヤフォンを紹介します。

決めてはなんといっても「快適さ」です。

リスニングに関して圧倒的に有線派でありワイヤレスを軽視していた私ですが、ウォークマンのジャック部分がイカレ始め、そこから発生するノイズが無視できないレベルになりまして。そんな状況から救いはないものかと、入門がてら二つのイヤフォンを購入。そんな経緯がありました。

私が買ったのは、Amazonのレビューでも人気の高い「TT-BH07」と「Q12」です。

TT-BH07とQ12
左の赤いのがQ12、右の黒いのがTT-BH07

 

Amazon内では現在、Q12が3200件、TT-BH07が1900件という多数の評価がつき、大変人気で いまなお注目されているワイヤレスタイプのイヤホン。

今回初めてワイヤレスのイヤホン購入でしたが、ワイヤレスへの入り口として、そしてエントリーモデルとしてなかなかに優良なイヤフォンでした。価格帯もじゅうぶん射程圏内なので、無線未経験な友人へのお誘いプレゼントや、スマートフォン環境でのリスニング/ゲームなど日常使いにもオススメできそう。コードが引っかかりがちなランニングや部屋の掃除なんかにも導入していけます。

そんなワイヤレスイヤホン、購入から2ヶ月ほど使ってみての中途報告です。

(※当記事は2017年に書いたものです。現在ではBluetoothの性能とバッテリーの持ちが向上した製品がたくさん出ていると思います。読み物としてお楽しみください)

いまならソニーのWI-C200とか

完全ワイヤレスならAnkerのLife P2がタイムセールで安く買えます。

このあたりが脱有線イヤホンのエントリー商品ですね。

追記終わり。

この記事はやや読者層を広めに想定しています

有線所持の読者各位の状況予想↓

  • 無線に興味はあるけど、イヤホンに五千円とかはちょっと……
  • スマートフォンの操作にコードが邪魔。端末を持ち続けるのも疲れる
  • (PCなどの作業中)席を立つたびにイヤフォンを外すのは面倒
  • ポケットや服の隙間からコードが伸びてるのってあんまり見た目良くないかな……
  • 夏はポケットの空きが少ない。いっそ鞄に入れたい
  • ランニング中に音楽聴きたいけど胸の前でプラプラするコードが鬱陶しい

↑この辺りは今回の推しイヤフォン、「TT-BH07」で解決できると思います。

  • 無線イヤフォンってどんな感じ? やっぱり使いやすいの?
  • 無線って有線より音質が悪くなるんでしょ?
  • TTBH07が人気みたいだけど、実際どう?
  • Q12もまた人気みたいだけど、 実際どう?

↑後半にふたつの機種の比較をまとめたので一読ください。

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Bluetoothのおすすめポイントは「快適さ」に尽きる

(無線イヤフォンってどんな感じ? やっぱり使いやすいの?)

まず、無線の機能性/特性について。

対義語であるところのWIRED(意:繋がれている)の文字通り、有線の弊害は「限定された距離間」「リードみたいなコード」だったわけです。

部屋で聴いていてトイレに行きたくなれば毎度ポケットに端末を入れ直し、ランニングに連れていけば胸の前や顔の横でプラプラペチペチ……、靴紐を結び直して立ち上がったら膝にひっかかって耳を痛めたり運が悪ければ断線の危険も……。

有線イヤホン
気持ちよく聴けるのは間違いないのですが……

 

どうにもこうにも持て余してしまうコード。薄着の季節になるとなおさら。

有線が無線になることで、これら諸問題に対する潜在ストレスが取っ払われたのは「快適」の一言。耳の横に小さなスピーカーを置いて移動しているような、移動してついてくるような気分にさせてくれる(ちょっと大袈裟

通信可能距離について

TaoTronics「TT-BH07」とSoundPEATS「Q12」のふたつを使っての印象としては、障壁なしなら10m程度離れていても通信は良好。最近の無線システムは進んでますな。

あまり広くないコンクリマンションの自宅で試したぶんとしては、ベランダにウォークマンを置いて、玄関付近のトイレに入り扉を締めても音飛びせずにリスニングが可能。これは壁が二枚・直線距離8mくらいかと。受信機のある右耳側がフリーかどうかがけっこう影響してきます。

同周波数を扱うものが近くにあると混線して音が途切れてしまう。家庭製品だとレンジなど。回していなければ問題はなし。新幹線などの高速移動中でも問題なく再生。言わずもがな地下でも使用可能。

無線を体験して気に入っているところ

繰り返しになるけれど、コードの存在がなくなった恩恵は大きい。

たとえば外出時。イヤホン側に操作ボタン(詳細は後述)があるので、本体はバッグのサイドポケットなんかに放り込んで、かんたんな操作は耳元のボタンでちょちょいと済ます──なんてことが可能。上着のポケットやバッグからコードが伸びていないのはかなりスマート&フリー。

他には

  • タッチノイズも感じずランニングに集中できる。
  • どこかに引っ掛かる心配から解放される。

など、さっきの不満点がまるまる逆転しているような感じです。

音楽聴きながら縄跳びもできますよ。

あとは単純に「軽い」ので、着け疲れもしませんし少しの間聴かないときは耳から外して首にかけておけば置き場にも困らない。

後ろにぐるっと回り込ませるだけなので、下に引っ張られるような力も感じない。ただただ軽い。首にタオルを「置いてる」感覚に近いかもしれない。なにせたった15gですから。

有線だと起こりがちな、ウォークマン本体が手からずり落ちてジャック部分の損傷だとかコードの断線だとか、そういった不意の巻き込まれトラブルはなくなる。

【2017/8/13追記】
日差しが強くなってきた夏真っ只中ですが、汗ばんだ首に回して装着すると少しベタつきを感じますね。ワイヤレス初めての夏の新発見とともに、U字ケーブル時代を思い出しました。そして、選んだカラーが黒のせいか妙に暑さが乗っかってくる気がしてしょうがない。
【追記終わり】

音質について

(無線って有線より音質が悪くなるんでしょ?)

私もそう思っていた時期がありました。

そんな”回り道”をしたら音に悪影響が出るだろうがと。

しかしBluetooth 4.0(-4.1)の登場による革新的な音質の向上により(実際に音質があがるわけではなく、電送信による劣化を防いでいるということ)いまや有線と無線に大きな隔たりは存在しないように思える。iPhone 7からジャックが消えたのも素晴らしい技術を有しているBluetooth4.0の登場が背景にあったのかもしれない(よく知らないけど

────

なんとなく注記。

[このレビューを書いている私自身の耳の性能のようなところについて、疑いを持たれる方々がそろそろでてきているような気がしてます。愛用のイヤフォンを紹介して信頼や安心が勝ち取れれば簡単なのですが、そうもいかない部分はあると思います。能力と知識をかんたんに説明するなら──クラッシュシンバルの枚数や、2タムフロアタムの違い、スネアの”固さ”、ギターやベースの”歪み”などの聴き分けができる。「定位 リバーブ ディレイ パンチイン イコライジング」などの基本的な楽曲ミックス方面の概要が理解できる。耳コピはニガテですが転調したタイミングくらいは分かる。こんな感じです。いわゆる標準的リスナーのひとり。愛用機はSE215、三連フランジ]

話が逸れました。

で、実際にTT-BH07のほうを聴くと、やはりというべきか、最初は低価格イヤフォンに付き物なドンシャリサウンド……ドンシャリシャリサウンドとでもいうべきものでした。

しかし、予想していたより音像が曇った感じでもなくて、(予想はモコモコにこもっているんだろうと思ってました)定位なんかは結構しっかり分解されていてそれぞれの楽器は聴き分けやすい部類でした。そしてエージングを経て丸みがついてきた頃には、突き刺さる高音部も消えていきました。

全然いけます。全然問題なくいけますって意味です。

音の鳴る空間(左右のレンジ)がもっと広ければ……というのはさすがに高望みでしょうか。

TT-BH07
鳴り分けはいい感じ。

 

「無線だから音は良くないって考えはやはりこれを機に改めるべきですね。

むしろ有線でありながら(どういうわけか)それなりの評価を得ているZERO AUDIO「カルボ テノーレ ZH-DX200-CT」とかに比べると、無線タイプであるTT-BH07のほうが解像度もいいし、(あんまり好きな言葉じゃないですが)遥かに「高音質」でした。カルボテノーレは産廃レベル。

音質に関して言いたいことがもうひとつ。

主張がやや本旨とズレるのですが、

「アウトプットされる音質にどこまで気を使うか問題」

について少し話したいと思います。

アウトプットされる音質にどこまで気を使うか問題

私が無線イヤフォンを持っていくのは主に外出時です。SE215やUE900を連れて行くときもありますが。

道路の横の歩道を歩き、人の出入りが多く常時アナウンスが絶えない電車に乗ります。街に出ると雑踏のなかに放り込まれます。そして帰宅後、雑多な作業を無線イヤフォンで音楽を聴きながら進めます。

「無音だとつまらない」から大好きな音楽を聴くわけですが、はたしてこの環境が「深めのリスニング」に向いているかと言われれば決してそうではない。これは断言できる。実際無音ではないし。

やや偏向的で乱暴な言い方ですが、「ノイキャンだ、高遮音性だ」といくら言ってもですね、街のなかでハイレゾ聴こうなんて無茶もいいところなんですよ。楽しめるわけがない。「ハイレゾを聴いている自分」を楽しみたいのならご自由に。

そういったわけで、幻想的な「高音質」に向き合うなら外部環境にもそれなりの配慮が必要だし、そしてそれは庶民には、なかなかなかなか大変かつ難しい。ほぼ無理に等しいので私は一線を引いて諦めました。

幸い、TT-BH07の音質は、数多のイヤフォンから導かれた”平均値”よりだいぶ上のところにいるので、私は満足しています。ちゃんと音楽を”深ーく”聴きたいときは自室の椅子に座って、スピーカーかヘッドフォンアンプを介して聴くのがふさわしいと思います。

結論:理想の音環境よりも「快適さ」を優先しました。それが無線の最大の意義でしょう

購入前に知っておいてほしい点

(TT-BH07が人気みたいだけど、実際どう?)
(Q12もまた人気みたいだけど、 実際どう?)

無線イヤフォン使用して、初めて気づく予想外なこともいくつかありました。

それも書かないとフェアじゃない。

イコライザーが反応しない

ソニーのウォークマンでの検証。端末側でイコライザーを変えても連動しないため、低音を強めたり高音を強めたり等のイコライジングはできなくて音のバランスは固定。

(2017/5/31追記)ウォークマン側のBluetooth設定サウンドエフェクトの項目内で変更可能でした。すみません訂正します。

操作性や無線での不満点(リモコン関連)

リモコン付きイヤホンというものを生涯使ってこなかったので、(これまた無用な機構を挟んでピュアオーディオ的に無駄が生まれると思っていたのが理由)リモコンの機能についてはいまさらの話なのかもしれないが、周知のことか判然としないので一応書いておきます。

三つのボタンでは限度がある

本体に手を伸ばさずに再生中の音楽への操作ができるのはたしかに便利ですが、ボタンが三つしかないために操作・動作は単純なものに限られています。

便宜上、「左・中・右」と仮定した三つのボタンに振り分けた機能は以下の通り。

  1. 左と右でそれぞれ音量の大小
  2. 左あるいは右を長押し(左:再生中の曲を最初から 右:次の曲へ)
  3. 中:再生&一時停止
  4. 中を長押し、電源オンオフ

以下、普段使いでよく操作するもののリモコンでは無理な動作。

早送り・巻き戻しができない

冒頭からの再生になるか、次の曲にいくので「10秒ほど戻す、20秒ほど先に進める」などはできない。

二曲前より向こうの曲に戻れない

左を長押しで曲の頭に戻るが再度長押しをし始めると、すでに曲が始まっているために同じ曲の頭に戻るだけ。一時停止状態から長押し二回でも同じ結果。

階層の移動、リピート・シャッフルの切り替えができない

例えば「某アルバムを再生中に同アーティストの別アルバムに移動」などの複雑な移動はできない。

音量の上限が有線のものより低い(可能性がある)

これは端末出力の差や各イヤフォンの性能の差なのでTT-BH07に限ったことでもない部分かと。上限が下がるといっても急激に下がっているわけでもなく、耳に通す音の鳴りとしては十分出ていると思います。

バッテリーが切れると何もできない

これも無線イヤフォン使用者には今更な話でしょうが、バッテリーが切れる15分前あたりから、一分に一回のペースでアラームが流れます。そこまではあとどれくらいの残量か判断できません。バッテリーが切れてしまうと音は一切出ませんし、まさかスピーカーで聴くわけにもいかないので、ウォークマンごと使い物になりません。ウォークマンのバッテリーとイヤフォンのバッテリーとふたつ気を遣わないといけないのはけっこう面倒です。長期で出掛けるときは充電器やスペアの有線を持っていきます。

Q12のもったいないところ

価格帯も近く、形状も似ているので無線初心者の私はどちらか選べずに結局どちらも購入したわけですが、いま返品が許されるのならQ12とは速やかにお別れしたい。スペアが必要ならTT-BH07をもう一個買ってもいい。

Q12とマッチしなかった理由はふたつ。

Q12の音質が好みじゃない

(TT-BH07は定位がしっかりしながら音場は狭い印象だったのに対し)Q12の音のレンジは良く、ほどよいステレオ感がありました。しかし、Q12はエージングの時期を過ぎても高音のカドがとれず歯擦音が耳に突き刺さるあの感じが軽減されず……。

メタル系のベチベチしたバスドラ、硬いスネアの響き、このあたりが大好物な方には、もしかしたらハマるタイプのイヤフォンかもしれない。やはり安易には薦められませんが。

調節できないアナウンスボイスがうるさい

もうひとつはバッテリー残量が減ってきたときや電源オンオフ、ベアリングモード以降時などのアナウンス。これが壊滅的に不快。

TT-BH07のバッテリーアラーム(アナウンス)の場合、再生中の音楽の音量レベルが8→3のようなイメージで後ろに引っ込み、音量レベル6の「ピコピコ♪」といった音が鳴ります。アラームは一秒以内に終了し、また再生中の音量レベルも8に戻ります。これが一分に一度、15回ほど繰り返し完全にバッテリーが切れます。

例えるならば、車で音楽やラジオを流しているときの「このあとの交差点を左折です」というナビのアナウンスの音量変化、挿し方とバランスをイメージしてもらえばわかりやすいと思います。まさにあんな感じなのです。

一方、Q12のアナウンスの場合。

再生中の音楽は先ず ぶつ切りミュートになり、

「バッテリーの残量が少なくなりました充電してください

という女性の声が、音量設定いかんに関係なく最大音量で(若干の音割れを伴い)流れます。ぶつ切りミュートしたくせにしっかり三秒進んだところから再生してくれます(端末と別経路なので当たり前ですが……)。これが一分に一度、20回繰り返されてバッテリーは切れました。

このアラームさえなければもっと好評価できたのに……。まことに残念。

TT-BH07とQ12、比較のおさらい

以下、表での比較(あくまでも比較としての度数です)

TT-BH07 ────── Q12
○○○○ 音質 ○○○
○○○○ 装着感 ○○○○△
○○○ バッテリーの持ち ○○○
○○○○ 消耗アナウンス
○○○ 遮音性 ○○○
イヤーピース変更
あまり意味なし シュア掛け あまり意味なし
変更可 イコライザー 変更可
○○○○ ベアリングの感度 ○○○○△

 

こんな感じで両者を比較すると、「TT-BH07」に私の軍配が上がった感じですね。いよっ。

2017/5/27現在、AmazonでのランキングではQ12のほうが票数が圧倒的に高く、今後のランキングも不動のような気がしますが、私は納得してませんよ(お前が納得しないからなんなのだ

「そろそろ無線をひとつくらい触ってみようか」とか、(限定的ですが)もしTT-BH07とQ12のどちらかで迷っている方がいるのなら、TT-BH07をチョイスしたほうが幸せになる後悔しないと思います。予想以上の快適さを。ぜひ。

そんな感じで〈Bluetooth4.1のワイヤレスイヤホン「TT-BH07」と「Q12」はどっちが快適かという話〉でした。

おしまい。

関連リンク(今回紹介したイヤホン)

そして、

【追記】

当記事は2017年のものなので、現在購入を考えている方々はBluetoothの性能とバッテリーの持ちが向上した商品を視野に入れても問題ないかと思います。500円で機能が向上するなら断然そっちをおすすめします。

【追記終わり】

コメント,ご意見など (中傷発言はNO)

  1. iphone7導入ではじめてwirelessを検討中・・・まさしくこの2つで悩んでいたときにドンピシャの記事でした笑

    掲載リンクからTTBH07購入しますね(^^)

    有難うございました。

    • リンクまで経由していただいてありがとうございました。書いた意味があったな、と嬉しく思います。
      ワイヤレス体験は有線での生活が長かった人ほど驚きがあるのではないかなと想像します。

      mossa様のリスニングライフも快適なものになれば幸いです。

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