作曲頑張ってますか? DTMの進捗どうですか?
当の私は、狭い机の上でも設置できる良質なスピーカーを買いました。
それが上の画像に写ってますFOSTEX「PM0.3」。
フラットな音のつくりなのでモニター志向として使ってますが、味付け次第で自分好みのリスニング向けにも化けるところなんかがお気に入りポイントです。
以前まで使用していたCreative社の3000円スピーカーとは表現力の差がくっきり出ていて、なんと魅力的なスピーカーなんでしょうと嬉しさの余りレビュー記事を書くことにしました。
読者様の環境と照らし合わせて、参考になる部分ならない部分含め、ごゆっくりお読みください。
一歩進んだスピーカー環境を手に入れたくなりました
知人のCD作りの手伝いで自宅PCを使いミックス&マスタリングをする機会がありまして、作業するにあたってはヘッドフォン(MDR-CD900st)だけじゃ心もとないだろうと、一歩先に踏み込んだスピーカーが欲しくなりました。
私なりに購入の希望条件として掲げていた点として
- 狭い机にも置けるコンパクトなサイズ
- 2wayスピーカー
- 電源はACアダプタからとりたい(PCへの負担を減らしたい)
- 音の性質はフラット志向(モニター向き
この四点をクリアしつつ前評判もよかった(A&Rの経験のある方からの推奨もあり)ので、この機会にスパッとAmazonにて購入。
サイズ、お値段、申し分ないですね。
おや、早速届いたようです。
PM0.3の梱包内容
中身はコード類が三本。ミニプラグ/RCA端子に対応しているケーブルが二本。電源ライン。取説の用紙。
取説がPDFとかじゃなくてよかった。
音楽制作ソフトやドライバ系によくある、PDF形式の取説がネット上にあって「URL載せとくんで詳細はそっちで確認オナシャス!」みたいなのは嫌なんですよね。ペラペラ眺めながらわくわく組み立てたい派なもんで。確かにPDFなら書類無くす心配はないし、エコだとは思いますが。そのおかげでこの価格帯をキープできてるんだと納得しよう!
一段目の発泡スチロールを外すとスピーカー本体のおでまし。
緩衝材&発泡スチロールでがっちり固定されてます。この梱包はベリーベリーグッド。満点です。
デスクに置きやすいコンパクトなサイズ
サイズ比[前/奥/高さ:10.0/13.0/18.5(cm)]
横面にコミック単行本を置いてみました。横にベタ付けしてもスピーカーのほうが少し高いくらい。前面は表紙よりも指一本狭いくらいの幅です。実にコンパクト。
次に背面↓
アンプ搭載のアクティブスピーカー(画像右:Rチャンネル)と、
アンプ非搭載のパッシブスピーカー(画像左:Lチャンネル)という仕様になってます。
PM0.3は音痩せもなく低音と高音のバランスが良い
「コンパクトなサイズ感」の評判通り、ちょうどいいスモールさでありながら、鳴らす音はしっかりとしたパワーを持っています。
マスターボリュームとオーディオ・インターフェースのボリューム(とPC内音楽プレイヤーのボリューム)を掛け合わせたら、なかなかの大音量が出せるでしょう。ノートPCやタブレットと一緒にパーティ会場に持ち込んでも活躍するくらい、出力のポテンシャルは高めです。
マスターボリュームの変化によって音の主張ポイントがブレたりしない点もグッド。
音が大きめのときに歪ませたベースがブワついたりもせず、反対に絞っていっても低音が急激にしぼんじゃったりってこともない。どこで聴いても気持ちよく聴ける。
いいバランスです。
置き方は内向き推奨
画像ではわかりにくいですが、スピーカーを少し内向きにしてます。
自分のリスニングポイントを決めて、スピーカーのコーンから均等な距離をとります。自分とふたつのスピーカーとで正三角形もしくは二等辺三角形をつくるようなイメージです。
左右の間隔を広く取れたほうがステレオ感増しになるんですが、いかんせん作業場が手ぜまなもんでこの辺りが限度かな、と。離し過ぎるとそれはそれでセンターでの聴き心地が死にますので注意。
モニタリングはスピーカーでもするべし
DTMerが増えている。
まだ若いのに(というのは褒められた表現じゃないけど)、宅録してミックスしてネット上でワイドに発信しているような子が大勢いて──すごい行動力だなと舌を巻くことも多い。しかしときたま、ミックスバランスの粗さが気になることがあります。
「ヘッドフォンだけで作業が完結しているんじゃないか?」
と思わずにはいられないので、僭越ながら一言言わせていただくと、
「ミックスのバランスはスピーカーでも確認しなさ~い!」(しかるねこ風)
この1点に尽きます。
スピーカーで変わるものと得られるもの
ミックス作業にしろリスニング強化にしろ、スピーカーへの1万円は決して高い買い物ではない。
音楽を作っていくための自己投資だと思えば安すぎるくらいだと思います。人によっちゃ全然足りてない、もっといけるって意見だってあるでしょう。良いものにはお金をかけるべきです。
買った瞬間は財布が少し寂しいかもしれないけれど、返ってくるものはしっかりあります。1ヶ月分の給料の使いみちを考え直せば十分まかなえるはず。
1日まるまる働いた自分へのご褒美と思えばいい。学業があるならこつこつ一週間働いてもいいですし。これはDTMとかする人に限らずリスニング用として考えてる人たちもそう。なんか偉そう。
1週間の労働を吹っ飛ばすくらいの快感ならこいつが与えてくれます。さささっ。
おしまいに、私がスピーカーに求めたもの
仮に、ヤマハのHS5やNX50、JBLのPebblesなんかを購入していても、恥ずかしげもなく「これはいい!」なんてことを私は嬉々として書いていたと思います。合格点を越えているしっかりした品質のスピーカーであることは間違いないだろうから(Pebblesはバスパワー駆動だから候補から外したけど)。
好きな音なんて人それぞれ――とは言っても、みなさんハズレは引きたくないわけで。
高くないとはいえ決して安くもない。せっかくのお金、無駄にはしたくない。お金は大事。
「そもそも良いスピーカー(の定義)ってなんなの?」
実に難しい質問ですね。
「低音が出てる」「高音の伸び」「クリアなサウンド」「高音質」「定位がくっきり見える」「音割れしない」……
言葉は具体的なようで抽象的になっていくばかりだったりして、悩ましい。
なので、今回スピーカーを購入して私がまず思ったこと、一番の感動ポイントは、
「”音がセンターから向かってくる感覚”をすごくわかりやすく実感できた」
衝撃というと大袈裟だけど、「おもしれえな、これ」っていう感覚。
以前のスピーカーやヘッドフォン(MDR-CD900st)だと、左右から同レベルの音が出ている感じがどうも拭えなくって。それがつまりゴーストって原理であることは承知なんですけど。奥行きがないとか広がりがないともちょっと違う……ムードがないって感じだったんです。「私はいまフロアに居る」って妄想が捗らないんです。
そこへ来て、PM0.3はひと味違う感覚があった。
ディスプレイのその奥の向こうから音が飛んで聴こえてくる感覚。
ディスプレイのその先に歌手が立っているような想像が容易にできてしまう感覚。
これが新鮮で面白い体験でした。音との向き合い方について、ひとつステージアップしたような。
最後の注意点
購入しても損しないスピーカーだと思います。強めに推したい。
ただ、付属ケーブルの質が良くなかったので、何かしらの買い替えが必要になるかと思います。
しかし、2021年も現役です。
そのあたりは続きの記事【PM0.3をリケーブルでブラッシュアップ】のなかでお話しているので参考にしていただければ……といったところで一旦筆を置きます。
過剰な低音はいらない、モニター指向&リスニングにおすすめです。
おしまい。
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