先週ちょっと触れた、Dungeon Monstersの音源リリースパーティに行ってきました。単独で地下二階のダンジョンに乗り込んでいったわけですが、まあなかなかの修羅場というか試練めいた夜でしたね。
「私みたいなもんが楽しめるイベントじゃなかった」
──とか書くとまるでイベントがつまらなかったっぽい書き方になるので、
「ああいうイベントを楽しめるような私じゃなかった」
と書いておこう。
私は「音源で満足派」なのかな、やっぱし。現場に行っても嫌な思いで帰ること多いし。嫌な思いするくらいならわざわざ別に会場にいかなくても……とブレーキを踏む傾向にある。「現場(ライブ会場)」を一括りにするもんじゃないけれど。
当日の模様のメモとして、プログラム進行の内容にも触れます。
私はあまり配慮の行き届いた書き方がうまくないので、24日の新木場COASTに参加する方でネタバレは避けたい方は、この続きを読まないほうが良いかと──。緘口令の言い渡しはありませんでしたが、なんとなくぼかしつつ書いていきます。
終始、熱を帯びたフロア
どんな内容になるのか、予想はさっぱり。3500円のチケットを払ってるわけですし、流石に『Monster vision』1曲だけ披露しておしまいなわけはないだろうと。
20分×6人(般若の時間もあれば+20分)で120分(+20分)、最後にMonster visionやって解散うぇいよー!! みたいな(みたいなじゃない
実際のところの進行は、15分~20分ほどが各モンスターに割り振りがされていて転換中はUZI氏とZeebra氏が繋ぎMCと呼び込みMCをする流れでした。最後に全員がステージ上に召喚されて『Monster vision』を文字通りの熱唱。熱狂するお客さんも一緒になっての大熱唱。
繋ぎMCって大事かつ大変ですね。お客さんの熱を程よくキープさせないといけない。
各モンスターのライブ1~7→全員で『Monster vision』→フワっと解散
登場の順番は割愛します。東京では変えてくるかもしれないし。
気持ちよかった瞬間
T-Pablowの1曲目からですね、低音がすごかったんですよ。音が面で飛んでくる感じ。”悪い音”出てんなーつって。
人間は耳だけじゃなくて実は肌でも音を「聴いている」って研究結果が出てまして……、といっても20KHz以上の話なんですけど(つまりふつうは聴こえないとされている可聴域より上の高音)
イヤホンやヘッドホンから出る音はすぐ耳に到達して身体の他の部位には届かないんですが、スピーカーだと耳のほかに顔首腕足の肌に音が触れる。そこにスピーカーの気持ちよさや優位性があるんですって。眉唾っぽいし難しくってよく理解できませんでしたけど、そういう余談の話です。
<https://www.barks.jp/news/?id=1000104767>
「全身で音楽を聴く」ってのは言い得て妙というか、あながち真実をついているのかも。
とにかく面で来る低音の壁。あれはいい。
その前だったCHICO はそんなにどっしりしたトラックはなく、キックだけが心臓にくるタイプのやつでして。キックが心臓にくるのはニガテ。心臓に悪い。もっと腹のあたりにヒットするブローが欲しい。
それでいうとT-Pablowのトラックはいわゆる”ブリブリサウンド”というやつになるんだろうか。足の先が、心臓が、腹が、前腕が、鼻先が、ビリビリと絶え間なく痺れる。
これはいい。圧倒されました。
行儀悪いヘッズ
そのあとからは意味もないのに背中をグイグイタックルしてくる連中とスマートフォンを掲げて視界を遮るyoutuber取材班みたいな輩が湧き出して、嫌気が差したため後列まで後退。棒立ち鑑賞。
「撮影禁止だからね」ってZeebra氏が時間をおいては重ね重ね発言しているのに辞めないもんだから、もう恐怖の対象。わかりあえない人種。最初は後ろの人にも視えるようにサブカメラの役割でもかって出ているんじゃないのか(ドーム公演で演者が遠くて見えない人用の措置みたいな)って思って──それもただの邪魔な気遣いとしか思えないけど──画面覗くと当たり前みたいに録画が始まってるから怖いなーって。撮ってどうすんだよそれ。
軽くカルチャーショックでした。
あとは般若のステージがカッコ良かったですね。初めて生のステージを観たんですけど、『生きる』がかっこよかったな。
合唱する「トレンチコートマフィア」は好きじゃない
Creepy Nutsのステージで『トレンチコートマフィア』をやったんですよ。ネタバレですが、定番曲でもあるのでまあいいでしょう。許してくれ。
で、この頃にはもう私は完全にイベントに冷めていたので後ろのほうにいたんですよ。後ろのほうで腕っ組状態です。
トレンチコートマフィアって「カウンターソング」じゃないですか。ヒエラルキーの下層が上層や世界に反撃をしてやるって。あのヒエラルキーの図としてよく持ち出される三角形ってナードのうえにジョックスやクイーンがいるわけですが、人口の率でみるなら実際は三角形じゃなくてもうひとつ三角を逆にひっつけたひし形になると思うんですよ。つまりナードが一番多いわけではなくて、やっぱり”普通”が一番数を占めているはず。
パンクがパンク足り得たのも、背景として存在そのものが立場的弱者(マイノリティ)であったから発展していったはず。市民権を獲得してしまったパンクがどういう扱いになるのかは私はわからないけれど。
つまりトレンチコートマフィアに多すぎる徒党は似合わない、ということを言いたい。
My Chemical Romanceの『I’m Not Okay(I Promise)』のMVが苦しくも最高にアガるカタルシスを孕んでいるのは、反撃の対象に対してこちら側の数が上回ってないからですよ。
「おれっていつもひとりでさ、ほんとうに寂しい」みたいな曲(架空)をみんなで大合唱したときの異常さのようなものを想像して欲しい。
異常だ。異常というかもう虚構だ。
なんか異常な光景だな-と思って横目で見てました。
社会には(コミュニティには?)内側と外側があって、外側も実際はまだまだ別の枠組みの内側でしかなくて、学校が社会のすべてではなかったように、ライブハウスが社会のすべてではないけど。あそこのホールで一体を感じても広い尺度ではいまだマイノリティなのは変わらないんだけど。
マイノリティの寄せ集めのなかでもマイノリティでありたいな、という自尊心でした。
Monster visionのトラックなどについて
メインのギターリフがあれを彷彿とさせるんだけど「あれ」の情報が全く見つからない。昔ラジオでよく耳にしたのにな……。Pitbull『I Know You Want Me』と混同して思い出せない。
これが流行りのトラップビートってやつか、と。
スネアとハイハットのこの刻み方、 チチチチチチみたいなンタララララララみたいな。こういうの”トラップ”っていうんでしょ? ばりの低知識で申し訳ないんですが。R-指定のヴァースからがトラップの本領なのかな? 色味有るウワモノを抜いてミニマムな音場を作るテイストのあたりが。
DOTAMAのあと、般若のヴァース。これが後半にもう一度繰り返されていて実質これはフック扱いしてもいいパートのように思えるものの、入りがすっきりしずぎていて山場の感というか起伏が弱いですね。「ミュンミュンミュン──」みたいなspecter的シンセなどが増えていますが、メリハリがついているかといえばそこまでの効果が出ている気は……しないな。DOTAMAのあとに般若が来た、くらいの意味合いしか生まれていない。
フックなんて不要、偉い人にはそれが──的なことを仮定して考えると、最後に繰り返した意味がさらにわからなくなる。新しい構成に私が戸惑っているというのもある。しかし、R-指定のあとのインターバルの
「チャっ、チャっ、チャっ(ブレイク)」→フックに戻る、
の流れは流石にちょっと……。そんなリズムアクセントが入り込むトラックではないと思いますが。
あとはR-指定のヴァース「焚巻に言われた-」の小節から倍テンにすれば気持ちよさそうだな、とか。リリックの音の立て方も表拍子で揃いそうだし。まあそれやるとまんま『ENERGY DRINK』になっちゃうか。せっかく音抜いて変化つけてきたのにすぐに戻しちゃうのはもったいない。なんて素人意見。でした。
フリースタイルダンジョンの公開収録が今年中に大阪であるのかも
これ、繋ぎMCで言及してました。たしか「今年中に」といっていた記憶が。関西じゃなくて「大阪」って言っていた……はず。フリースタイルダンジョンの大阪収録、いつになるんでしょうか。
どうせ盛り上がれないなら邪魔だから応募とかするなよ、とか思った読者諸氏もいるかもしれませんね。確かにお客さんが湧かないときのバトルは「おいおいいまので高まらんのかい」とか思いますし。たまにしっかり聴こえなくなるってのが理由にあるらしいですが。
ともかく、大阪開催について近日アプローチがあるでしょう。
総括すると、3時間弱で3500円という良心的な破格プライスで(お金の話は書く必要もないけれど記録として)あんなに濃いいメンツの演目を魅せてもらえたのはいい経験だった。
おしまい。
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