前回、京アニの総決算なんていったものの、『たまこまーけっと』『境界の彼方』はおろか、『らきすた』や『Kanon』からは特に共通項を見つけられなかったことをまずは軽く陳謝します。許してヒヤシンス。
では方向を変えて、単に気になったシーンを見てもらいましょう。
私はやっぱり京アニが好きなんだなー、と思うわけです。何と言ってもわかりやすい。演出にしろ脚本にしろ、(面白さとは別角度で)わかりやすさが広い客層にウケているんだと最近感じる。こっちが面食らうくらいのストレートにときおり鼻白むんだけも、あとあとになって「あれはあれで面白いものだったよな」なんて気がしてくる。
実写に寄っているカメラのレンズ
京アニが気に入ってるんだろうなと勝手に思ってるエフェクト、ずばりスミア
「私のスミアフォルダがまた潤うっぽい?」とか思っていたら、今回はスミアよりもピン送りとピンぼけが多いですね。つまり被写界深度がすごく浅めに設定(徹底)されている。
正直なところ、さりげなさがなく、却ってくどくなってる部分もあると思います。ちょっとやりすぎ。
第1話アバンで、歓迎・勧誘として校門近くで暴れん坊将軍のテーマやったじゃないですか。
ずらっと階段に立ち並ぶ部員に段々でボケ効果をかけてたんですが、さすがに1メートルも奥行きがない場所でやるのはどうなのか。リアル志向というのか、徹底的に写実的な画作りを目指す姿勢が窺えます。フィクショナルなレンズと被写界深度が前面に出ている。
周りをボケさせる意図
そのピンぼけはどんな効果があるのかというと、
観客に見せたいものを正しく強調させること、ができる。
まわりをぼかして視聴者の目移りを阻止する。いまフォーカスが合っているものがあなたが見るべきものだよ、っていうガイド。モブのカラーや顔のパーツをすっかり抜いてしまう演出に狙いの方向性が近いと思います。
逆説的に(メタ的に)考えると、ピントが合っているのに特に台詞もなく誰も触れたりしない場合は、後々触るよって前振りだと思って下さい。
あとは画面の外縁周りだけぼやける特殊な効果のレンズ使いもたまに出ます。視野狭窄とは違う。周辺減光というらしい。
じゃあ、また話は変わって気になったところ。
第1話を観ていて気になったアイテムとか演出
ひとつめ。
このベッド下の白っぽい箱。これ後々拾ってきますよ(多分)なんもなかったら私の深読みを返せ! ってなるんでしょうが、後出しは格好悪いので今のうちにジャブっておこう。
【2017/1/2追記】何もなかったね。ははは。【】
ふたつめ。
姉にマウスの吹き方を教えてもらう回想シーンで、「そうそう、うまいうまい」なんて言いながらトロンボーンの手入れをする動き。
会話とは直接は関係ない演技――「ながら演技」と私は勝手に呼んでいるんですが、さりげない仕草ながら確かにディテールに凝っている作画芝居が大好きです。大好きってのは京アニに限らず、こういう演技を入れてくれるアニメーターさん全てに言えます。
みっつめ。
葉月と出会いの教室。明らかに腕のサイズがおかしいんですよね。圧縮してるほうはわかるけど、顔の横に手が来る握手ってなんだ。
強めのディフュージョンについて考える
第1話。部活の見学後、帰り道のシーンになってディフュージョン(覚えたて)が強い。これじゃまるで回想ではないか。
『響け!ユーフォニアム』第1話より
この眩しさは何か。
もしかするとこれは、
日の当たらない教室内と日の当たる校舎の外という対照的な場所を用意することにより、
なんとなく続けているだけでやる気も希薄な二年生や三年生の部員たちと、音楽に対してワクワクした気持ちに溢れた三人(久美子はちょっと迷っていたけど)との対比を表現していたのかもしれない。そんな見方もありじゃないですか。
しかし、眩しいな。
その後、滝先生が過去のコンテストの音源を聴いているときは、正しく回想らしい光の散らし方だった。「いや、あれはホールの照明だろ!?」だって!? それは言わない約束。
OPの演奏シーンに不在のメンバー
番組の公式HPで主要キャラクターのプロフィールなんかが見られるんですが、そこに載っていながらOPサビの演奏シーンにはカメラで抜かれない人物がいる。二話でも出てきたあの子。
京アニってあんまりOPの内容とか変えたりしない認識があって、変えたのは『けいおん!』であずにゃんが追加されたくらいしか覚えがない。はたして彼女は演奏追加メンバー入りできるのかどうか……。
おしまい。
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