やっぱりチャンピオンのピックアップの位置が前に来てるのはなんか腑に落ちない。
ということで、前回の続き。全然批判とか飛んでこない無関心具合、安心しました。
もう50回くらい繰り返し観ているので、最初の印象なんて跡形もなく書き換えられているんじゃないかと不安な気持ちになってます。「50回も観てるけど全然中毒じゃない」みたいな言い回しもありましたが、分析したいだけ/アラ探したいだけで観てるような姿勢には我ながら呆れる。大いなる虚無感が背中に張り付いている土曜日です。
前回、OPで高ぶってこない理由に「画と音のズレ」をかかげてつらつら書いてきました。未読の方は前半部の話(2000文字くらい)を読んでいただけると、貴重な休日の時間が空費できて宜しいかと。
ここからは中盤にある違和感について。
はじかれた剣が地面に刺さるあの場面。あのカット。
前回の次回予告テーマ──「映像が頭のなかで鳴らす音と実際に耳に届く音との乖離」。
タイトルだけはいっちょ前で内容は伴ってません。
SEを乗せる土台
[SE=サウンドエフェクト・効果音。「ドカーン」とか「ガキーン」とか。マグネロボ……]
さて、『ガンダムビルド-』シリーズでは話数の後半に入るとオープニングにSEが追加されるのが定番になっていて、『ガンダムビルドダイバーズ』にもSEが(おそらく)つくんだろうと思ってます。(サンライズのアニメにSEが付きやすいのかまでは知りません。すみません)
話を進める前に、これ読んでる方に確認というか質問なんですけど、
オープニングの映像を観てて
「ここにSE入ってくるだろうなあ」
ってポイントの目ぼし付いてませんか? そこまでちゃんと観てない?
名探偵コナンばりのガシャオーン! 的な(『ガンダムビルドダイバーズ』OPより)
機体が合体するときに「グァチャーン!」、マシンガン撃つときに「バババッ!」、あるいは剣が地面に刺さるときに「ザシュッ!」みたいな。音響効果の素養があるのかどうか、センスが問われるところですね。
かくゆう私もノーセンですので、どこまで自信があるのかと言われると困る部分はありますが、剣の刺さるSEは追加される気がするんですよ。
SEの土台(その余地)を想像することができる、と言いますか。
映像から感じる音のかたち
この前ツイッターで見かけたんですけど、無音の映像を観て、頭のなかで音が鳴る人間が一定数存在するらしい。
そのときに紹介されていた映像がこれ。
なんも聞こえないです、私には。
おそらくの仕掛けとしては、真ん中の送電塔が着地するタイミングで入る画ブレ(画面動)が、「強大な振動」を演出しているわけですね。こんなに離れているのにこんなに揺れるなんて、というイメージ付けにより、頭のなかで何かしらの音を鳴らせるんだろう。
何も聞こえてない私が、何でもいいから合いそうな音をつけろと指示を受けた場合、「ドスン!」とかにしますかね。それくらいのイメージは持ってる。この「ドスン!」に対して、特に文句は出ないでしょう。
このあたりを踏まえると、
映像により”ある程度”の音のベクトルはイメージとして伝えることは可能
だってことが言えるのでないでしょうか。いや、言える。
剣が地面に刺さる音のイメージ
ここまで書いてきたことをまとめると、「人を素手で殴るとこんな音がする」「ホースから水が出るとこんな音がする」「爆弾が爆発するとこんな音がする」というイメージ(音情報)は、ある程度の共通認識がすでに成り立っているということ。(えっ、そんなこと書いてたの?
逆に、「サイコキネシスが発動する音」「マッハ1で加速するときの音」「時空が裂ける音」などはそれぞれ違ったイメージ──”音情報”を持っている。
これは経験として身近かどうか、サンプルが多いかどうかによって分かれてくるような気がします。雉の鳴き声を知っていても鷹の鳴き声は知らなかったり、そういうことだ。(?)
つまるところ想像しやすいかどうか、が大事だって話かもしれない。
では、「剣が地面に刺さる音」はどのへんに位置しているかというと……、わりと身近な範囲じゃないかと思う。想像はしやすいですもんね。
ではでは、くだんの剣が刺さるカットを見ましょう。
白いフラッシュのショックコマと画ブレがついてますね。
使い道は多岐にわたりますが、画ブレはやはりガツンとくる衝撃を増長させる意味合いが強いと思います。「静か動か」で言えば動じゃないですか。(誘導尋問っぽい
静の一歩手前ともとれますが ともかく、この画ブレが映像的には強拍ポジションになっている。しかし、音楽はショックコマとタイミングを同じくしてボーカルを立てるような落ち着いた展開(リズム隊が抜けている)になっていて、楽曲は平坦なのに、映像が山を形成しているような、はみ出たアンバランスさがある。そして、さっき言っていた、音を想起させる動き(剣が地面刺さる)も重なってくる。するとどうなるか。
不意打ちを喰らう
「剣が弾かれる→剣が地面に刺さる」の流れを観て、「バキーン! → ザシュ!」という音像を頭のなかで想定していたのに、楽曲のほうはグッと音数が減って落ち着くもんだから、考えていたイメージと実音から受ける印象が噛み合わず、結果ズレを感じるのだと思う。
ここが私のなかでは一番しっくりこないところでした。
おしまい。
映像そのものが持つリズム感
オープニングやエンディングの制作手順は、
楽曲が決まり、使うだけの尺(映像90秒にたいして音声89秒)を計算/選出してから映像を作っていくもので、作品に寄り添って選ばれた楽曲、に寄り添って映像が組み上がる。そして映像にSEが寄り添う。
だから音と画の間には「主と従」「前衛と後衛」みたいなそんな意識を持ってました。
で、窮屈なコンテとか言ってたのを取り返そうってわけじゃないんですが、映像だけでリズム感を出す/テンポを感じ取らせるようなことをやっていて、すごいんなーと。改めて。
例えばリクとオーガが戦ってるシーンの画面分割までの衝突アクション。
いち、に、さーん、ってタイミングがいいですよね。テンポぴったし。
(やっぱり)SEが付いてからが本番?
気がつけばあれにもこれにもSEが付きそうな予感がしてくる。笑っちゃうくらい、かつてないSEてんこ盛りなOPが誕生するかもしれない。それこそ『ガンゲイル・オンライン』の第5.5話(特別編としてSE追加ver.のオープニング)が”遊び”にしか見えないくらい。アマチュアとスペシャリストの違いを観てみたい気もする。
関連リンク
『ガンゲイル・オンライン』第5.5話/Youtube(アニプレックス公式)
いつまで視聴可能かわかりませんがse付きOPの参考にどうぞ。
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