『グッドフェローズ』観る。

【この記事のこと あなたの周りにも拡めてくれたら それはとってもうれしいなって】

義務感で映画を観るのはよくない。(@orita_no_ani

なつこ「どうしたの、いきなり」

──なんとなく純粋に観れないというか、気持ちがどっぷり浸かっていないうちに見始めちゃって、序盤からうまく消化できないままどんどん物語が進んでいっちゃったりして。あげく精神がいい状態じゃないから良いシーンや驚きの結末がきても「ふーん」で終わってしまったり。 「あの映画を観た」ことに執着するあまりどこか脅迫観念に首を絞められていく感覚がある。

大捜査線(2以降)とかのクソ映画ならそうやって消化するぶんには、「いやーあの丸太でシャッターにつっこむシーンは最高だなあ(棒)これだけでも観る価値はあったなあ(棒)」てな具合に別段後悔もないんだけど、信頼性のある脈から面白いなんて情報を仕入れたもののうまく受け取れないとわだかまりがどうしてもね……。

なつこ「みんなの”面白い”が共通するわけないじゃない」

――そりゃそうだ。 そんなことは百も承知。自分が楽しまないで何が娯楽ですか。出直して来なさい。 でも……ちょっと考えてみてください、アニメでも小説でも音楽でも義務感で作品を漁ってませんか?

結局のところ「何のために観るのか、」という問題だと思いますがね。 じゃあ、おこがましくも映画にも手を広げる第一段。

第一段に何がふさわしいとか、本当はないんだけどさ。 中途半端に拘り気質だから。

ギャング映画も数あれど

グッドフェローズ(原題:Goodfellas

51TENZKYW3L

監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ニコラス・ピレッジ マーティン・スコセッシ
製作:アーウィン・ウィンクラー
製作総指揮:バーバラ・デフィーナ
撮影:ミヒャエル・バルハウス
編集:セルマ・スクーンメイカー
配給:ワーナー・ブラザーズ

出演:レイ・リオッタ、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシ、ロレイン・ブラッコ、ポール・ソルヴィノ、フランク・シベロ、サミュエル・L・ジャクソン、ヴィンセント・ギャロ (wikiよりスタッフ抜粋)

  もう公開から25年も経っているなんて……まったく色褪せてないぞ!? ※以下ダラっとした文が続きます。覚悟せよ  

スコセッシ監督作品はまず『タクシードライバー(76)』を観て、なるほど語り継がれるだけのことはある作品だといたく感動しまして、そっからデニーロで追っかけたりディカプリオで追っかけたりいろいろと観ました。

ちょっと前の話題ですが「ウルフ・オブ・ウォールストリート」が日本でも劇場公開になったときの話。第86回アカデミー賞ですね。「ゼロ・グラビティ無双の回。

またも主演男優候補にノミネートしたディカプリオに、ついに、ついにオスカーの名誉が! しかも作品の出来も最高! これもろた!とぬか喜びもつかの間、旋風吹きまくっていたマシューマコノヒーにあえなく王の座を獲得されてしまったわけでした。

マシュー・マコノヒーの存在感や身体を極限に絞った鬼気迫る演技はもちろんグレイトで、結果には納得してる(謎の上から目線)んですが……やっぱり選考会の方々はディカプリオ嫌いなんですか?ディカプリオっていうか、、リア充感出る人間が嫌いなんですか?ファッキンジョックスって感じですか?

まあいい。次の機会があるさ、レオ!(本当にあるかなあ)ジャック・ニコルソンも受賞は50歳のときだから!

話が逸れました。

本編。 イタリア系マフィア所属のギャングスター、ヘンリー。

彼が作品の主人公で、冒頭から中盤からたびたび挟まれるナレーションも彼自身の台詞〈モノローグ〉になっていて、半分自伝的というか、といってもスタンドバイミーの始まりの回想とはちょっと違っててあくまで画面と同時進行、もしくは何かをほのめかして、すぐにその答えとなるシーンになる、みたいな作り。この辺りの演出をメタフィクションというかは私としては疑問が残るところ。あくまでも語る内容は自分の周りだったし。いや、メタの判断材料はそこじゃないのは解ってるんだけど。

レイ・リオッタ グッドフェローズ

主人公ヘンリー役、レイリオッタ。

画像は若いうえにヤクが決まってるときなのでぴんとこないかもしれませんが、変に有名なところでいうと「ハンニバル 脳味噌 うん旨い」のあの人です。

いや、もっといい役ももらってるんですがね。今作グッドフェローズが彼の出世作ということになっています。(フィールド・オブ・ドリームスでジョー演ってたじゃん!)

基本はこのヘンリーを通してマフィアの悪事や抗争、その顛末を半自伝的に描いていく。 文字通りヘンリーの脇を固めるのが名役者のロバートデニーロとジョーペシ。二人ともスコセッシの常連ですね。

新房作品の斎藤千和的な。大林信彦作品の尾美としのり的な。

映画を観ながらふと思ったんですが、上のパッケージの画像。 主演三人の配置がちょっと気になる。 なんでデニーロが真ん中でレイ・リオッタがサイドに甘んじてるんでしょうか? どう見てもレイ・リオッタの映画だのに。

このころデニーロは既に『タクシードライバー』や『ミッドナイト・ラン』なんかも大ヒットでスター中のスターでした。レイリオッタは「フィールド・オブ・ドリームス」は公開されてるはずなんですが、でもそのくらい。思うに広告用の策略があったんじゃないかと。 考えてみれば当然ですが、アメリカにもそういうのはあるんでしょう。

デ・ニーロなら観に行こう、みたいな心理作り。リメイクされたスタートレックの宣伝ポスターの案件を思いだしますね。

で、何が面白かったの?

なつこ「ギャング映画ってどうせドンパチやってバタバタ死んで、成り上がったけど裏切りやら自滅やら警察の介入で主人公も死んじゃう悲劇、を美化しました。、みたいな感じでしょ。ピカレスクロマンってやつ。栄枯衰勢は世の常」

――どうせとかやめなさい。失礼な。

確かにその方向性でいうとぱっと思いつくのでも、スカーフェイス、カリートの道、BROTHER、なんかは該当するかもしれません。

ネタバレダメージSランクの主人公の生死については上の三つでは言及してません。ご安心を、←この注意書きがそもそも暗にネタバレしてんだよおい、ってこともないので、やっぱりそこはご安心を!)あくまで方向性なので!

もうね、始まり方から引き込まれるんです。

上のトレイラーがその始まりのシーンなんですけど。 グッドフェローズ三人衆が車に乗ってどこかへ向かってる。 そこで何か物音がすることに気付いて、わき道に逸れトランクを確認。 すると血塗れで重傷の男が積まれている。

あっ、身に覚えのない犯罪を押し付けられちまった。こりゃ困ったどうしよう的な展開だな」

私はそう思いました。しかし一瞬でその予想は裏切られます。

ジョー・ペシ『まだ生きてやがったなこの野郎!』 (重体の男をナイフでめった刺し、デニーロもすかさず銃を打つ。この上ないオーバーキル)

私『…………』  

この開始数分間で「はい、俺たちマフィアっす。血も涙もないアブナイ人間の集まりです」ってのを観客に提示したわけです。(そしてちょっとヒキ気味のレイ・リオッタ)

見事なイントロダクション。こっからはヘンリーの成長奮闘(?)物語になってきます。

役者がカッコイイです。 まずジョーペシの心底めんどくさいトニーというキャラクター。短気っていうかどこでキレるスイッチが入るのかすらわかんない。マフィアは喧嘩っ早いとかそんなレベルじゃない。酒飲んでてちょっとジョーク言ったらButi切れ。

このへんはアウトレイジでもありましたね。酒入るとめんどくせえなーて奴。酒の席で「バーカ」っていうと「誰がバカだこの野郎!」って胸ぐらつかみ合いになる流れ。あれのさらに上。少年に発砲までしちゃうおっかなさ。

カジノ」を先に観ていた私は「またジョーペシがファックファック言ってるよー」と終始彼のイカれっぷりにご満悦でした。  

デニーロ。
出番はレイに比べるとやっぱり少ないんだけど、良き兄貴分でいつもヘンリーの味方で後押し。まあ、マフィアの言う「俺はお前の味方だから」ほど信用のない言葉もないですが……。あれです、アウトレイジで頻出した「形だけだからさあ-」に近いものを感じます。


ロバート・デ・ニーロ グッドフェローズ
このシーンのBGMで流れるCREAM(クリーム)の『Sunshine of your love』とニヤリとするデニーロが最高にかっこいい。 聴けば、ああこれかとなります。〈https://www.youtube.com/watch?v=oxxXoyatS_8

TBSラジオウィークエンドシャッフル内企画、ムービーウォッチメン(旧シネマハスラー)でご活躍のライムスター歌丸氏も同企画で、グッドフェローズはオールタイムベストに挙げてまして、その敬意と賞賛から「ウワサの真相」に『Sunshine of your love』をサンプリングしたんでしょう。ちゃんと調べてないから確証はないですが。

カメラワークではヘンリーが高級レストランらしきところに食事に向かうシーンでの長回しが印象的。ステディカムで背中に張り付いて、厨房抜けて通路を歩いていくヘンリーと妻をぐぐっと追っかけるのが目を引かれるんですよ。 あとマフィアの連中とデカいヤマ(強盗なんですけど)の計画を練るときに参加するメンバーの紹介シーン。全員が集まったバーを舞台に長回しでざらーと説明していく。どえれースタイリッシュ

(サミュエル・L・ジャクソンがちょい役で出てたのは気付いたけど、ヴィンセント・ギャロは一体どこにいたんだろう)

レイ・リオッタ グッドフェローズ
物語も佳境に入ってほぼラストシーン。ほぼです。ネタバレラインはまだ超えてないと思います。

とある事件に関して裁判にかけられたヘンリー。ここで、いつものナレーションでモノローグだった台詞が画面に映る本人の口と連動します。さらにスクリーンというある意味限りなく厚い壁を越えてこちらに語りかけてきます。(画像じゃわかりにくいですが、カメラ目線でちょっとした演説に入ります)

これはもう実に美味しいメタ演出ですね。ここでアプローチを変えてきて札束で頬を叩かれたようにハッとさせられます。

オチ(ラストカット)には言及しません。意味がちゃんとあるものだったので。あなたの目で確かめて受け止めて下さい。とても面白かった、とだけ言っておきましょう。

by カエレバ