今期──2021年夏──の新規アニメは44本だそうで、「案外少ないな」と思ってしまうあたり、感覚が麻痺してますね。第1話は全部チェックするマンの肩書きはとっくの昔に返上したので、とりあえず食指が動きそうなものをリストアップ。
- 『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X』
- 『かげきしょうじょ!!』
- 『カノジョも彼女』
- 『現実主義勇者の王国再建記』
- 『小林さんちのメイドラゴンS』
- 『Sonny Boy』
- 『死神坊ちゃんと黒メイド』
- 『ジャヒー様はくじけない!』
- 『白い砂のアクアトープ』
- 『SCARLET NEXUS』
- 『探偵はもう、死んでいる。』
- 『ピーチボーイリバーサイド』
- 『ぶらどらぶ』
- 『ぼくたちのリメイク』
- 『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 2nd SEASON -覚醒前夜-』
- 『RE-MAIN』
(参考ページ→2021夏アニメまとめ一覧│アニメイトタイムズ)。
単純な「これ観てみよう」であって、面白さは当然保証されておりません。2つほどの作品にいたっては本編を観る前から(つまりPVの時点で)別に面白くもないだろうなとすら思ってます。乾いた笑いは漏れ出しそう。
最近はどんどんアニメ視聴への情熱が失われつつあり、「(長時間)椅子に座ってモニターで観る」スタイルがあまり良くないんじゃないかと、体力温存のためにfire HD 10を買って寝転んで観たりと試行錯誤の真っ最中です。
伏線にもならない無関係な話はこれくらいにして、今期の各作品のPVを観て「これは面白そう」となったもの、いわゆる2021年夏アニメのおすすめ、というやつをいくつか書き残しておきます。
Sonny Boy
アニメーション制作:マッドハウス。チーム的には『ブギーポップは笑わない』のスタッフが主力になっているのかなといった印象、というか予測。『漂流教室』+『HEROES』っぽいけど、「漂流」という先入観がキーワードになっていて後々ひっくり返されそうな予感。
今期のトレーラーPV最優秀賞は間違いなく『Sonny Boy』でした。大西沙織ど真ん中じゃない、甘さを含んだ発声もいいですね。こんなチューニングもイケる人だったとは。
情報がほとんどないのに行く末が気になるという印象になるのはそれだけでちょっと凄みを感じます。
まずゴール(キャラクターの目的)がわからない。帰りたいのかなんなのか。それらがどこまで本気なのか、いまいち掴めない。でも現実に即して考えてみると、相手の考えてることなんてわからないのが実は普通のことだったよなあと思ったりもします。
もうこれこれこうなんでいい加減人生やめたいですってぼやいて異世界にわかりやすく飛んでいったり、そういうのは飽きちゃったので(初めからハマってない)、オープンワールド的な不思議空間を探索していくアニメがやってきて久々に高揚中。
うっきうきで先行で第1話を観たら、濃縮されたトレーラーよりは落ち着いた話の運び方でした。当たり前か。しかし、まさか劇伴一切なしとは思わなかったです(ネタバレすみません)。
イントロダクションの第1話。ギアを入れ替えた第1話だったので、第2話以降からは別作品とか思うようなテンポ感で話が展開されるかも。そこにも期待したいところ。
かげきしょうじょ!!
『ゲーマーズ!』のPINE JAM制作。
原作は白泉社「メロディ」で連載中の『かげきしょうじょ!』。試し読みもできるみたいです。
かげきしょうじょ!! シーズンゼロ 上巻│DMMブックス
観るアニメを決める際に、キャストが誰かというファクタは重点的な判断材料にしているというか、期待感のメーターのひとつになっています。物語が面白くなくても、画面が面白くなくても、声だけは一定の安定感があるからです。
○○が喋っているだけで満足してるのか? って言われると、まあ全否定はしません。一部肯定します。最近は「掛け合いが面白いアニメ」がものすごく希少になっていて、○○が喋ってるだけでは到底満足がいかなくなってきてもいるんですけど、それでも楽しめる要素としての「声」を持っている声優は強いですね。○○さんとか○○くんとか。
「はじめっからきれいな人に言われたくないよ」(『かげきしょうじょ!』PVより)
内心の吐露・心の叫びというか、あまり耳にすることのない言葉が音になるのって、文字を目で追うのとは違い、軽い衝撃を伴って心がひりつくというか、脳内で内製した予想をぽーんと越えてくることがあってグッと来ます。「ああ、『愛してる』はこうやって言うのが正解なのか」みたいな。何を言ってるのかわからない方は野崎まど『2』を読んでみてください。
アニメになって音がついて良かったなあと思える一場面ですね。
トリッシュがぜんぜんハマってなかった千本木さんの地力を確認したいなという思いもあります。
主題歌の曲調が『ガラスのブルース』に似ているのは関係性があるとみて良さげ……と思いたい。
死神坊ちゃんと黒メイド
アニメーション制作:J.C.STAFF。CGI制作:SMDE(小学館ミュージック&デジタル エンタテイメント)。SMDEは『新幹線変形ロボ シンカリオン』のCGアニメーション制作としても認知度が高い会社。
両社のタッグでいうと『ハイスコアガール』が記憶に新しいところですが、だんだんと手描き・3DCGIの境界線が薄れていると感じる昨今。視聴していても違和感(抵抗感?)はもう全然ないですね。原作を知らない、読んでないからイメージが出来上がっていないというのも理由のひとつではあるでしょうが。
特にPVで面白かったのが、雪玉を避けるアリスのモーション。めちゃいいです。これができるなら作品通して安心しても良さそうだなと思えるレベル。
避けアクションのあとの慣性でゆら~っとするのがとてもいいですね。
手描きだとどうなっていたでしょうね。オバケでピョコピョコと横移動で省略するアクションにするか、1コマずつ描き入れて”ぬるぬる”なフルアニメーションでいくのか。
対立厨ではないですけど、手描きではなかなか出せない味じゃないかと思います。だから「手描きが良かった」などと言わず(言ってもいいけど)、モーションを楽しみましょう。CGアニメも楽しいよ。
で、もうひとつ。カフ役の倉持若菜という声優がちょっと気になりまして。一言でセンサーが反応するって、あんまりないんですけど。キャラクターに合ってる感じがします。どんなキャラクターなのか知らないんですけど。
あと真野あゆみと花江夏樹のデュエット(死語)もいい。真野さん、イワザルぐらいしか認識できてないんですが、歌声が綺麗。ちょっと鬼頭明里に近い気もする。
そういえば『TARI TARI』にキャスティングくらいに花江さんも”歌える”声優なのである。物語のサブジェクトに「歌」が関わってくるのか、まだわからないにしろ、この2人の歌はきれいだなと思いました。伸ばしの音がきれいに出せるのは上手な証拠。期待です。
あとは脚本(と掛け合い)ですよね~。
探偵はもう、死んでいる。
アニメーション制作:ENGI。
『旗揚!けものみち』『宇崎ちゃんは遊びたい!』『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』とENGIの過去3作品は三浦和也監督でしたが、本作の監督は栗原学(「けものみち」「宇崎ちゃん」で作画監督やキャラクターデザインとしてENGI作品に参加)。
「女の子×探偵」がなかなか私の好みなポイントを突いてくるというか、知性を感じる女の子を贔屓しがちな特殊な価値観があるのかもしれません。加えてアクションもできるっぽいので(PV参考)、なかなかいいヒロインになるんじゃないかと。原作はMF文庫J『探偵はもう、死んでいる。』、もちろん未履修である。
いい波線だ。すごいワガママな意見を言おうと思ったがやめておきます。
銃身/銃口がカメラに向かって伸びるのを観ると京都アニメーション『甘城ブリリアントパーク』の第1話冒頭を思い出しますね。
ムーンサルトみたいな跳躍の動きも格好いい。
スクリーンディレクションの教材案件かしら?
PVでは前日譚なのかなんなのか、助手と探偵の出会いを描いているようですが、旅客機のなかの撮影というのは意外に難しいのです。
撮りようがないとまではいかないにしろ、一方向に進行する物体内のできごとを描くのはスクリーンディレクションやイマジナリーラインの配慮が行き届いていないと観客を気持ちよくはできない。これはバス、電車、飛行機、潜水艦、などに通じて言えることだと思います。このあたりの(私の)要求をどうやってクリアするのか、大変興味があります。楽しみです。
もう竹達彩奈の演技で感動することはこれから一生ないんだろうなという強い予感が湧いて、なんだかすこぶる悲しい気持ちになっていたのですが、PVを観て、もしかするとこれは……? と思ったりもしました。楽しみです。
あとは脚本(と掛け合い)ですよね~。
著作権とレビュー問題に向き合う2021年(夏アニメのおすすめでした)
いわゆる”ファスト映画”の余波で、アニメのレビューがやりにくくなるんじゃないか、という危惧があるらしい。youtubeで活動している人も方針を変えたりやり方を模索している、らしい。門外漢なのでよく知らない。
権利者の甘えの上に成り立っているレビューにも一輪の価値くらいはあると信じているので、自分が間違っていないと思えば、引用の範囲で活動していると自負があるなら、そのまま続けてもらいたいですね。継続を望んでるわけじゃなくて、継続の結果に興味があるだけなんですが。
……。
相変わらずまとめ方が上手くならない。
U-NEXT、DMM TVはキャプチャが撮りやすいから引用の範囲でレビューに使いたいならおすすめですよ。
そんな感じで〈2021年夏アニメ、PV観て気になったものなど〉の話でした。
おしまい。
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