中古本のサブスクリプションサービス、『タダ本』をご存知でしょうか。

- 新品の本はめったに買わない
- 小説やコミックはまだまだ紙媒体で読みたい
- 中古本屋のリアル店舗で置いてあるかわからない本を探すのも面倒
そんな読者の欲求をニッチに突いた紙媒体のサブスクリプションサービスです。
コミックは紙で読みたい派のユーザーに向けた似たサービスにDMMコミック(1冊95円)がありますが、こちらはコミックレンタルです。ささっと読んだら手元から手放してもいい、最近のコミックや最新巻も読みたい、というタイプにはDMMコミックのほうが向いていると思います。
話を戻して。
巷では「タダ本は転売(せどり)の仕入れとして使えるぞ!」と期待に胸をふくらませている方もいるようで、「1冊44円で買える計算になります」という記事もTwitterで見かけたり(この方がせどりを推奨していたわけではありませんが)。
「1冊が44円」もなかなかですが、私はさらにその上を(その下を?)目指します。
限定の割引クーポンを活用し屁理屈まみれの会計を駆使した結果、仕入れ価格が1冊3円になりました。一体どんな魔法(不適切会計)を使ったんでしょうか?
- 安く仕入れたいなら一括で注文して送料を減らそう
- 3000円以上の商品を一緒に購入すれば送料もカットできる
今回の主張は以上の2点。
まずは基本的なタダ本のルールをおさらい。そのあとに注文方法別にかかるコストについて考え、最適解を探ります。
最後に、仕入れた本をメルカリで売るとしたらどれくらいの利益が出るのか(値入れの金額はいくらが妥当か?)、そのあたりに触れながら書いていきます。
【ちょっとだけ追記】『タダ本』が新しくなって再出発しました
2020年9月、「タダ本」のルールが改定されました。月額請求から年一括請求に変わり、取り扱い冊数も2倍に増えて常時20万冊以上になりました。2倍も増やして大丈夫なんでしょうか?
さらに新しいサービス内容として、
- 無料冊数を翌月に持ち越せる
- 無料冊数の枠を増やす
といった追加のシステムを現在開発中です。
9日までにアンケートを応募してくれた会員を対象に、「12月の無料冊数」が2倍になる特典の抽選キャンペーンも開催しています。
他にも追加してほしいサービスの要望がある、なんて方はアンケートを送って柔軟に対応してもらいましょう。私は「取り置き」機能が実現したら言うことないですね。
「1巻から12巻まで一気に買いたいのに、3巻だけない……」みたいなときに、12巻全部揃ったら即購入or6時間だけカート内で確保できる。そんな機能があれば、サイトに張り付く必要もなくなるのになあなんて思います。
使い勝手のいいサービスへの進化を期待します。
20万冊以上から選び放題!紙の本のサブスク「タダ本」の会員特典の詳細は公式サイトで。
追記終わり。
サブスクリプションサービス「タダ本」が始まりました
「タダ本」の基本的なシステムは、ネットオフの110円以下で販売している中古本がプランに沿った冊数だけ無料になる、というもの。月額払ってんのに「無料」とはこれいかに。
100円以下で本が手に入るならブックオフに行くよりも旨味はあるかと思います。ポストに届くので店から持ち帰る必要がなくなり、楽でいいですね。
「タダ本」のプランは2つ
提供プランは、15冊まで”無料”のタダ本ライト、50冊まで”無料”のタダ本スタンダードの2種類。
- タダ本ライト:月額250円/15冊まで無料
- タダ本スタンダード:月額500円/50冊まで無料
基本料金は「税込み」です。
決済方法はクレジットカードのみ
クレジットカードが必要なので、利用できる方が若干限られます。
1枚もカードを持っていない方々は、この機にクレジットカードがある生活を始める、というのも良いですね。公共料金もカードで支払う時代。どうせキャッシュレス社会の必需品になるのですから、訴求キャンペーンの内容が充実してるうちに申し込んでおくのも手です。
1枚目におすすめのカードは、年会費永年無料&審査も通りやすい楽天カードです。新規入会で5000ポイントはありがたい。タダ本10ヶ月の基本料金が5000円ですから、かなりお得。
話が逸れました。
ネットオフの送料について
ネットオフの送料システムは少しややこしいです。下の表を見てください。
このように、注文の点数や商品代金によって、異なる送料が会計にプラスされます。
買い方パターンと送料のまとめ
タダ本を含んだ注文と送料は、以下のパターンに分かれます(覚える必要はないです)。
- 369CP対象タダ本だけで9冊→ 送料150円のみ
- 369CP対象タダ本8冊と有料本(~400円)を1冊→ 送料150円+有料本の価格
- 369CP対象タダ本8冊と有料本(400~999円)を1冊→ 送料100円+有料本の価格
- 369CP対象のタダ本8冊と有料本(1000円~)を1冊→送料無料、会計は1000円~
- タダ本のみ9冊以上→ 送料440円
- 有料本などで合計金額を3000円にする→ 送料無料、会計は3000円~
月額料金と送料(と有料本)を合計して、冊数で割れば1冊の原価が出ます。
その比較を、少しあとからしていきます。
クーポンを利用して合計金額を安くしよう
「9点以上の注文で5%オフ」/「20点以上の注文で15%オフ」といったクーポンが時たまもらえたりするので、クーポンを利用して購入すると効率が上がります。
しかし、当然みんな同じことを考えているので、クーポンが使える期間は、目当ての商品が在庫切れを起こす不運との戦いになります。
「タダ本」の原価と仕入れの経費を考える
お待たせしました。
ここからは注文のパターン別に1冊の原価を算出します。
基本の式は以下の通り。
経費÷冊数=1冊の原価
タダ本ライト(15冊)を2回に分けて注文
基本料金[A]250円
+
送料[B]292円(9冊注文と6冊注文、142+150=292)
+
その他[C]なし合計:542円
経費542円を15冊で割ります。
542÷15=36.133…
1冊37円で仕入れられました。
【タダ本ライトの原価】1冊/37円
このように計算式に数字を入れて、1冊の原価を注文別の条件と合わせて調べていきます。
「○○円引き」クーポンの有効な使い方は、有料本とタダ本で送料が安くなるセットを作るやり方です。合計金額からクーポンぶんが引かれますので効果的だと思います。
しかし、クーポンの利用にこだわるとかえって余計に支払い額が増えたりするので、割引に惑わされないことが大事です。
「タダ本スタンダード」の必要経費を考える
タダ本ライトと同様に、タダ本スタンダードのパターン別に必要経費を算出したのが下のまとめ(あまり効果がないのは承知なのですが、網羅性のために一応書いておきます)。
タダ本スタンダードでCPを利用して小分けの注文
基本料金[A]500円
+
送料[B]710円(※369CPを適用した9冊注文を5回)その他[C]なし
合計:1210円
45冊しか注文できていないので、1210円を45冊で割ります。
1210円÷45=26.8888……
こちらは1冊が27円となりました。30円を割りましたね。
【タダ本スタンダードの原価(その1)】1冊/27円
[C]を使って帳尻合わせをする
上の計算だとタダ本は45冊です。残り5冊を手に入れるには1冊”有料本”を購入して6冊に合わせたほうがお得になります。普通に5冊で買ってしまうと送料は440円かかります。
調べると、一番安い商品は75円なので、帳尻合わせに1冊選んだと想定します。
タダ本5冊+75円の有料本1冊。計6冊の送料は150円。
送料[B]150円
その他[C]75円
小分け注文(その2)
基本料金[A]500円
+
送料[B]860円(※710+150)
+
その他[C]75円合計:1427円
1427円を冊数で割ります。
1427円÷51=27.980…
1冊28円。
【小分け注文(その2)の原価】1冊/28円
帳尻合わせ[C]は私的な購入とする場合
「いや、これは個人的な買い物だから『仕入れ』ではない」と自分に言い聞かせてみましょう。
あくまでも仕入れたのはタダ本50冊。
1435÷50=28.7 あるいは、(1435-75)÷50=27.2
しかしこちらも、1冊が28円。
端数冊は捨てたほうが効率がよいですね。
50冊の枠いっぱい一括注文の場合
いままでさんざ引っ張って面倒くさい計算を書いてきましたが、一番簡単で仕入れ値も抑えられるのはこれだと思います。
タダ本50冊、一括注文。
基本料金[A]500円
+
送料[B]440円
+
その他[C]なし合計:940円
940円を50で割ると、18.8円。
1冊19円です。20円を下回りました。
【タダ本50冊一括注文の原価】1冊/19円
屁理屈の会計を使わなくても、1冊20円まではすぐに頑張れます。ここからさらに、利用できるクーポンとのコンボが繋がればまた安くなりますね。
余談:スタンダードの仕入れは余らせたら損
500円の基本料金はしかたないとして、50冊のタダ本枠を余らせると1冊の原価はどうなるのか。経費の内訳は省略。カッコのなかは注文数。
(45冊)1210÷45=26.8888
(36冊)1068÷36=29.6666
(27冊) 926÷27=34.2962
(18冊) 784÷18=43.5555
(09冊) 642÷ 9=71.3333
※369CPを適応した場合の試算
上のデータの通り、「買うなら大量購入」で行ったほうが1冊分の変動費を圧縮できてお得。
結論、「タダ本スタンダード」を選んだほうが仕入れは安い
仕入れ先として活用するのなら、「タダ本スタンダード」を選択したほうがお得という結果になりました。
あくまでも、1冊ぶんの値段を安くする方策としての大量買いなので、一般的な買い物目的なら無理をしないで「タダ本ライト」でもいいと思います。マクロ的には出費が大きくなってますからね。考えなしにたくさん本を買っても、置き場所を埋め尽くしていくだけですし。
読書家・乱読家で、読んだ本はすぐに売ったり捨てたりしているような回転率の高い人なら毎月50冊にも対応できるでしょう。
本が溜まってきたらメルカリで地道に売ったり、まとめて引き取ってもらえる【ブックオフ】公式宅配買取サービス/におまかせで買い取ってもらってもいいですね。
まだ読めてなかった少し昔の本をがっつり読んでます
いずれにせよ、1冊の単価は50円を大きく切るので、転売とか小遣い稼ぎとか関係なく単純に読みたい本を購入する目的で始めたい方々にも魅力的なサービスだと思います。
タダ本の対象はコミックからビジネス書、小説まで多数含まれています。
やっぱり本は指で捲って読みたい紙派の方々、月に20冊~30冊くらい平気で読めるような方なら、定額サービスを利用してみても良いんじゃないでしょうか。といったライン。
おすすめ星4つ。
20万冊以上から選び放題!紙の本のサブスク「タダ本」を申し込む
と、いった感じでタダ本のお得な利用方法の話でした。
ここから先は、「タダ本」の商品をメルカリで売るとしたらどれくらいの利益を出せるかに焦点を絞っていきます。
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