アニメーターは各自でメディアとかサイトを持ったほうが良いのではないか、とここ数年ヤキモキしてます。もっとも、「アニメーター」と限定する必要は無くて、バンドマンもイラストレーターもライターもまるっと含めた「クリエイター」各位に当てはまる話だと言っても過言じゃない。いまの興味の先がアニメーター(とアニメ業界)なので、アニメーターに言及する感触で書き進めています。
一体何のためにメディアやサイトを持つべきだと主張しているのか。
率直に、『マネタイズ』です。
偉そうにしてないでまずはこのブログでちゃんと収益化しろっての。
生活の改善、生活を良くするのが最終的な目的ですが、やはりお金が目的達成の近道であり優秀な材料であることに異論はないでしょう。
では主題。
アニメーター(クリエイター)はTwitterだけじゃなくてFANBOXも使ってはどうか
(Twitterは知ってるが、FANBOXって何?)
FANBOXっていうのはpixivが運営しているサイトのサービスで、「クリエイターを(金銭的に)支援できるサービス」と理解してもらえば、ひとまずOKです。私も微力ながら何名かのクリエイター様を支援するため利用しています。
そのあたりの詳細は以前書いた記事(FANBOXでアニメーターの支援を試してみました)にゆずるとして。本記事で言いたいのは、FANBOXを使って自分の事務所を構えようよ、ネットレーベルから学ぼうよということです。
マネタイズに向けてどう動けばよいのか、何が必要なのか、なぜいま収益がないのか、取っ掛かりを考えたりすると、Twitterだけじゃもう足りないんですよ。
- Twitterで顧客の発生は難しかろう
- FANBOXで作る自分の「家」
そんなところをなるべく余計なこと言わないように書いていきます。あくまでも話半分で(念押し
自分だけの「ネット事務所」をつくる
創作活動するうえでの軸足というか、商売に比重をおいた窓口の用意というか、選択肢は多いほうが良いと思うんです。自分の技術価値をPRできる場所とか機会とか販路とかの選択肢。
アニメーターなら過去参加作や担当したカット、イラストレーターなら描いたキャラクター絵・背景絵、バンドマンなら自曲や提供曲など、「こんなの描けます、こんなの描きました。こんな曲作れます。こんなこと考えてます。こういう仕事したいです、待ってます」という具合に自身のポートフォリオや成果をちゃんとチェックしてもらえる場所を持つ。
それがネット事務所。
社長オレ、広報オレ、窓口オレ、全部オレ
表現として「事務所」と書いたものの、要はブログメディアでもなんでも、自分がボスのサイト(ページ)をひとつでも持ちましょうと。youtubeチャンネルとかでもいいじゃないですか(こないだ、「早回しじゃなくて”等速で”線画を書いている動画が見たい」って要望を目にしました。気づかないところに需要があるんだなあ)。
マネタイズが目的なので、EC的な機能がある方がよりよいでしょう。※何でマネタイズしたいかにもよります。
いきなり「ブログ開設しろ、FANBOX登録しろ」とか言われても、いまのお仕事が忙しくて運営や管理まで手が回らねえよってのも重々わかるんですが、二時間ちょっとくらいかけて「事務所」を構えれば、未来の仕事に繋げられるかもしれないじゃないですか(「未来」とか……あ、怪しすぎる)。
無論、全部一人でやれと言う気はなく、少数でサークル的に立ち上げる案もあります。むしろアニメ制作会社こそ、どこよりも早く手を出すべきだったんじゃないの? 代表者名義でもいいから早くページ作れって思ってます。会社法とか、面倒な側面があるのかもしれませんが。
Twitterは仕事を受ける拠点に不向き
Twitterは距離感の近いコミュニケーションが取れたり、情報をリサーチできたり、ツールとして優れた部分もありますが、直接的にお金は発生せず、どこかへのハブとして存在しているわけです。
しかも、どういうわけかTwitterは商売っ気が忌避されてる雰囲気があります。貧しい人お金の自由度が低い人が多いのかもしれない。ECサイトの性質じゃない、が大きな理由に挙げられそうです。
描いた絵とか漫画とか、○○の何話に参加しましたとか、ここ描いてましたgifとかをTwitterのTLにあげたりするの、あれは陳列じゃないですね。報告や発表の類ですね。新しい商品が入荷しましたみたいな。
しかし、広報や展示場としては機能しても、契約書の代わりにはならない。提供者も閲覧者も、両者そもそもそういう認識もしていないでしょう。
加えて、Twitterは情報の流れが早く、ノイズに埋もれがちですし、陳列スペースとしては小さいうえに検索性能も良くなくてアーカイブ性にも長けていないので、どちらかというと初期中期の創作活動の拠点にするには不向き。モーメント機能もあまり使いどころがわからず……。
事務所に例えるなら郵便ポストや玄関です。Twitterの強みと求める機能は。
旅先の写真をあげたりロードバイクの写真をあげてたり、いままさに休暇を満喫してますって状態を出す行為が、Twitter経由でのお仕事依頼(見積もり相談など)を送りにくくしてるんですよ。
「いまは家に(事務所に)いないのか、今回はやめよう」
気を遣われての機会損失。それはもったいなくないですかと。
工房が見たいファンもいる
よくわからない例えが出ましたが、なんと言いますか、玄関だけじゃあなくて、「家」そのものを持って欲しいんですよ。応接間まで通して欲しい。いままで何を作ってきたのか、その工房を見せてほしい。
このイメージの着想はネットレーベルですね。
データベースを(財産を)自分で管理する。自分がやってきたことを後ろに流させないようにする。
その家or応接間or工房として、FANBOXを使ってみるのはどうですか──といったところで折り返しです。
FANBOXとはなんぞや。
無料で始められるFANBOX
現在、FANBOXについての私の認識は、「サーバー/ドメインの費用いらずの無料ブログサービス(販路付き)」といったところ。これに特約(特典?)がぽつぽつとついてくるところに利用価値がありそう。
ブログといっても、「ブロガーになろう」という提案ではなくて、あくまでも本記事の主旨は「クリエイターはブログを使おう」です。
なので、「ASPが貼れない、アドセンスが貼れない…」みたいな広告主体の収益化については、立ち上げる目的と少しズレるので省略します。
ほしいものリストを掲載するのは支援の範囲だと思うので、私は俄然推奨派です。
※登録までの方法は別の記事で
クリエイター登録の仕方、ファン側からの支払い方法などは別記事(FANBOXの始め方から支払方法とか手数料とかの話)を参照してください。
FANBOXとドメインパワーについて
ドメインパワーはどうなんですかね。正直わからないところですが、FANBOXでやろうとしてることってドメインパワーあんまり関係ないだろうし、インデックスさえされているのならパワーそのものは不要だとも思います。
自分のやったことを大事にしよう
作品をアーカイブしていったり、一つの作品(担当した1カットや数コマも含まれる)に140文字以上を費やして深く言及したり。無料の範囲での周知活動の活用法はたくさんあると思います。
どこを、あるいは何を目指すかによりますが、自分の(あるいは推しの)PRツールとして使うだけというのもアリ、支援プランを設定してマネタイズを視野に運営するのもアリ、やり方次第。
上のほうで「クリエイターは自分の事務所のようなサイトをそれぞれが持つべき」と言った主な目的は「自分の財産を陳列/管理できる場所を持つ」ことです。
生活をよくしていこう
総括。アニメ業界はとかく大変そうである。
全体的な人員不足の話、動画マンを筆頭に業界の薄給問題、コンテが過度な要求をするからあとの作業量が爆増して単価云々の前に数こなせねえよ問題、など私にはよくわからないです。わからないので何もいえねぇ……。
生活苦の話を聞くのは悲しい気持ちになるので、なんとなくお金につながる話ができればと頑張ったが、上手くいかない。
「PANがないならケーキを食べなさい」ってマリー・アントワネットの近くの人が言ったらしいですけど、苦しいなら選択肢を変えろっていうのは通ずる部分かもしれません(どうせならnoteを推すときにケーキの談を使えばよかったと少し後悔)。
今日話に出たFANBOXは登録無料なので、月イチ更新から始めて、新しい活路が見つかるといいですね(無責任)。
少し興味が出たら公式で詳しく調べるか、ざっくり概要をまとめた私の記事でも参考にしてください。
おしまい。
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