第2期、放送開始おめでとうございます。
『ゆるキャン△』1期が放送していた頃、「出てくるシーン(風景)が広く開けた地形が多い『ゆるキャン△』は、「PAN(パン)」のカメラが映える作品だ」と書きました。
「PAN」というのはカメラを横に振る動き、こういう動きです。Panorama(パノラマ)のパン、です。
湖の広さを視聴者とともに見たり、展望台から輝く街の灯りを眺めたり、遮るもののない海と水平線を前にしたり、エトセトラ。
一方、カメラを縦に動かすのが効果的な場合もあって、キャンプ場の平地から望む富士山を下からずずずいっと魅せたり、
長く真っ直ぐな階段のカットとか、坂を登ると開けた景色が広がる、なんてときは縦に振ると”長さ”が伝わりやすいです。
『ゆるキャン△』のカメラがすんなり染み込んでくるのは、こういった自然さにあると思います。実際にその地に赴けば、私達も同じように視線を動かし、風景を”味わう”のではないでしょうか。
カメラはカメラでも、VRのようにグラスを付けて現場に出向いた雰囲気を追体験させるのが『ゆるキャン△』のカメラの使命ではないか、くらいのことを思っていました。
ともかく、「見渡す限りの美しさ」を引き立てるのはやはりPAN。『ゆるキャン△』はPANと風景を楽しむアニメの認識なのでした。
そして、次のシーズンが始まったのです。
『ゆるキャン△』第2話の広角とPAN
PANが映えると思っていた「ゆるキャン」シリーズですが、シーズン2第2話で、PANショットに広角レンズを加えて広範囲を写すカメラに発展をとげました。
2階の喫茶店のカット。これは目を引く良いカットでしたねー。
広く見せるためか監視カメラっぽい質感を出すためか、広角+PANがありました。おそらくは、実際の店舗にそこまでの広さはないのかもしれません。
原作では該当カットもレンズは歪んでいる(というか原作では広角のコマがけっこう出てきます)。
広角レンズをピックアップしたカットは第2話で3回くらいお目にかかれたんじゃないでしょうか。
あとの2箇所は屋外。カメラの動き自体はなし。
広角のレンズを使うと、そこにあるものを実物より”大きく見せる”効果が生まれますが、実際に雄大な景色がそこにあるのに、あえて”盛って”みせるのはどちらかというと、いやらしい気もします。
だからここは単純に絵の面白さ、フレームの収まりの面白さを優先したんじゃないかと思います。ズバッとした分析ができず、擁護的な感想になっている感じ……。
でもやっぱり、動きのないカットでもレンズが変化しただけでなにか引っかかりがありますね。それだけで楽しいではないですか。
『ゆるキャン△ SEASON2』第2話
絵コンテ・演出 金子伸吾
面白い回だったなと思いました。
おしまい。
大晦日から年越しの話を収録している原作第5巻、いまkindleで読み放題になってます。
コメント,ご意見など (中傷発言はNO)