P「派手なアクションと、戦う女の子で行こう。勝ったなガハハ」
〈〈アクションから日常芝居まで探究心旺盛なアニメーターを確認、招致、成功しました〉〉
脚本「軍事考証とか真面目な視聴者がうるさいんだよね」
〈〈宇宙のほうそくがみだれた異世界の舞台、確認、獲得しました〉〉
原画マン「等身きっちり合わせてください? もう1頭身キャラでいいのでは?」
〈〈1頭身のメインキャラクター、獲得しました〉〉
動画マン「服の皺とかはためきとか髪のなびき追うの、苦行……」
〈〈衣服を描かなくてよい合理的な理由、獲得しました。合わせて線の多さでメリハリをつける変身能力、獲得しました〉〉
レコード「CD出すんで出番(以下略」
冗談はさておいて。
『転生したらスライムだった件』第1話、観ました。
あの原作をよくぞここまで……! と脚本家には賛辞を少し贈りたい。私が読んだのはファーストコンタクトまでですが……。
「人生……いや、スライム生?」を残してあげるあたり、優しいお方なんだなぁなんて(あげるとか言っちゃだめですね)。
素数を数えるんだとか慌てる時間じゃないとかちょっおまとか、そういう手垢べったりの面白いを目指したtxtデブリはガッツリ削り落とし、頭くらくらしっぱなしで読み難かった原作の文章が、なんとか右から左に聞き入れられるところまでよくぞ持ってきたなと。名翻訳(翻案)だと思います。エンタメ翻訳家、筆安一幸。
「なろうなんて読めたもんじゃない」と毛嫌い、アニメの視聴はそれなりに、原作を読むなど笑止、とばかりに延々”なろう系原作”を遠ざけてきた私ですが、ひょんなことから、webに掲載されている原作を読むことになりました。トラックに轢かれたわけでもないのに。作品には惹かれました。アニメ化発表のあとなので5月くらいの話かと。
原作を読んで、ひとつ発見だったのは、
「なろうって、エロゲーみたいだな」という漠然とした感情。
※あくまで「転スラ」(だけ)を読んで感じたことです。
しかしエロゲと言ってもアクションものから脱衣麻雀、シミュレーション系RPGまで幅は広いので、ここでは代表格(のはず)であるところのシミュレーション系のエロゲを指すと理解してほしいです。ゆえに、ノベルゲーでも全然問題ないです。エロゲを前に出したほうがインパクトあるだろ的なSHI・TA・GO・KO・RO、だよ!
↑ちなみにこれは原作にもあるライティングを模しているので私がスベったわけではない。
横書きの小説(web小説)にいまだ慣れない私ですが、ノベルゲーのフォーマットで消化するんだと頭のなかで変換解釈すると、割とすんなりと字が滑る。乱暴な告白をすると、オートボタンをONにして消化していったような気分でした。
エロゲーみたいとはどういうことか
ポルノまがいとかそういう批判ではなくて(ここ重要)、エロゲー的またはノベルゲー的なフォーマットに近しいなと。もっと言うと親和性があるだろうなと、そんな感じ。エロゲーのシナリオ原稿から起こしたみたいな。※あくまで「転スラ」(だけ)を読んで感じたことです。
進行の方法がエロゲなのです。
一人称の語り
物語は、東京 現在(現代じゃないんだ……)に存在する主人公・三上から見た世界と自己状況が語られるところから始まる。
いわゆる一人称視点の文体。
一人称の文体は、マナーとして、語り手・三上が観測したものしか描写はできない。
予測描写は可能だが、事実にはならない。モラルとして。
アガサ・クリスティ「へぇ、そんな取り決めが……」
一人称を用いて行われる後輩・田村や同行人・沢渡との掛け合い。ときおり差し込まれる、俯瞰中毒をこじらせたように状況を分析/実況する三上の心の声。そのあいだは一時停止したみたいなスロウな世界。
すごくエロゲー(ノベルゲー)的だと思う。
主人公がナレーションを買ってでて、誰にも聞こえないギャグを飛ばし、セルフでツッコミ、ご満悦。
そりゃ長年カノジョもできそうにないですわ。
注)これ、作者は無関係で、あくまでも一人称の語り手本人つまり三上への嫌悪感の表明ですので。
エロゲーがそもそもノベルゲー
結局のところ、エロゲに通ずる要素とか打ち上げたものの、痛々しい語り口が横書きで書いてあったことがエロゲを想起させたくらいなので、まともな評論にはなりえない、と申しますか…………(急な反省モード
というか、ノベルゲーに成人向けの甘い要素を足したのがエロゲー、くらいに思っているので、「エロゲー(ノベルゲー)」なんていちいち書くまでもなくシミュレーション系エロゲーはノベルゲーですよ。イコールで結んでも差し支えないですよ。私は。
第2話が楽しみ!!(勘弁してください)
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