ハコモノ映画の佳作『[LIMIT]』を観た感想を書く

映画の感想文

どうやら私はハコモノの映画が好きらしい。友人にそう言われた。

箱モノ(ハコモノ)っていうのはジャンル要素のひとつで、

  • 閉鎖的な状況下で
  • 舞台移動が限りなく少ない

みたいな条件付けができる映画です。私の主観的な物差しも多分に入ってくるので、外で使うと話が噛み合わなくなることもあるやもしれません。

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[LIMIT](原題:BURIED)

原題は「埋葬された、埋められた」という意味のBURIED.   より生々しいです。

監督:ロドリゴ・コルテス
脚本:クリス・スパーリング
主演(出演):ライアン・レイノルズ

あらすじ:イラクのバクーバで働くアメリカ人派遣労働者(トラックでの物資運搬)のポールは、突如イラクのテロ組織の襲撃を受け、気がつけば土に埋めた棺桶のなかに閉じ込められていました…。さて、どうなる。

設定がいいですね。「なにそれ怖い……で、どうなんの?」って思わせたらもう半分勝ちです。

昨今バクテリア的に増え続けるワンシチュエーション・スリラーってやつですが、ワンシチュエーション・スリラーって設定はいつもなんか良さそうに聞こえるんですよ。悔しいかな。ログラインだけは優秀なのが多い。

フローズン』とかもあらすじを聞くと、観たい! ってなるんですが、いざ本編を観ると「……なるほど」くらいの感想に落ち着いてしまったり。面白くなくはないんですけどね。やっぱりちょっと無茶な設定から始まると着地が難しい。

ハコモノを突き詰めた結果

閉鎖的であり舞台の移動が限られている、というのがハコモノのワタシ的定義でした。

それらの要素を突き詰めた結果、半径0.5mで物語が展開されていく異常さが際立った映画ができあがりました。それでいて、視聴者を飽きさせない巧みなお話の進行(つまらなさ過ぎて寝た、って意見も聞きました)

監禁されたポールは動けないわけですから、内部では物語がどうしても行き詰まる。なので進行は外部に頼るしかなく、セルフォンが大活躍します。

そこでの会話はポールと同じ視点で相手を想像するしかなく緊張感溢れたものになっています。

本編のダイジェスト

最初のカット。暗闇でなにやら吐息がハァハァと。視聴者を焦らします。

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10:00~ごろ

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20:00~ごろ

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30:00~ごろ テロリストからの無茶な要求 まだ棺桶のなかです

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40:00~ごろ

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50:00~ごろ テロリストからの要求2 まだ棺桶のなかです

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60:00~ごろ

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70:00~ごろ

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83:00~ごろ 全尺90:00の映画ですが、まだ棺桶のなk……

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というわけで、エンドクレジットまで全力疾走で映画は進んでいきます。

正統なハコモノでございました(大満足)。

これ以上のハコモノが観てみたい(たぶんすぐ観られる)

ネットで感想とか見ると、あんまり評価が高くない。

私も大々大絶賛!ってテンションではもちろんないですけど、まあ100円レンタルなら捨て銭にはなってないなくらいには面白かった。

あの蛇の下りとか「マークホワイト」とか、持て余しちゃってる感のあるシークエンスはありました。しかし、「こいつ、別に助からなくてもよくね?」 的に感情が離れることもなく、同じ場所にから動かない人物を映し続けても視聴者を飽きさせないカメラの撮り方なんかは、同ジャンルが撮りたい人には勉強になるかも。ならんかも。

127時間』でも似たようなことを思ってました。

ずっと同じ場所だけど、飽きさせない、興味を失わせないってすごい大事。

スリープオーバー(LIMIT)

物悲しいスリープオーバー。

これ『ノー・マンズ・ランド』でもあったなあ。ぐぐーとカメラが上に引いていって、被写体は小さくなり周りは誰もいないっていう。「世界から切り取られた孤独」の表現ですね。

劇場で観たかたは災難でしたが、私は十分に楽しめました。一見の価値、あると思います。

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おしまい。

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