『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』観てきました。の【感想】

【この記事のこと あなたの周りにも拡めてくれたら それはとってもうれしいなって】

ブレイキング・バッド

月六日、広島では例年通り平和宣言がなされ、私はぼにゃりとディスプレイ越しに見てました。国と国民のあり方とは、国を愛するとは──そんなことを少しだけ考えていました。

そして夜、大阪は十三(梅田のちょっと横らへんです)では淀川花火大会が催されておりました。

花火大会!リア充イベント!とかいう人もよくいますが、私に言わせてもらえばですね……

花火見るくらいで「充実」なんか得られるかよっ!!

ってことですよ。「得られると思うなよ?」のほうが適当かな。まあとにかく花火を羨むあなたの生活価値観を見つめなおしたほうがいいんでないかい?

ちょっと最近自身に変化がありまして、もうウヒヒも卒業なのかな、とか考えるわけですよ。引退っつーか。寂しいけど。

花火に向かってスマートフォンの裏側とか向けちゃうわけですよ。浮かれて。

(肝心のフィーバーしたとこ撮れなかったんですが。)

なつ「なれないことするから」

どなくして十三大橋をあとにする。このとき花火を眺める人たちの流れとは逆向きで梅田に歩いていったんですが、みんなの顔がよく見えるんですよ。花火の光も順光で。

みんなが同じ方向を向いて、晴れた笑顔で。

71年経ったいま、平和はちゃんと根付いているようなそんな気がしました。

……こんなことを書くあたりウヒヒ成分が霧散してしまったようだ。悲しい。

『トランボ』in 大阪ステーションシティシネマ

スタッフの女の子の笑顔がいい。

共産主義者の排除を掲げた映画業界(ハリウッド)の理不尽な圧力により業界追放を余儀なくされた優れた脚本家ダルトン・トランボ。居場所も手助けもなくなった彼は偽名を使い脚本を作り上げ、悪権のさばるハリウッドにカウンターパンチをくらわす計画を企てたのであった。

ハウス・オブ・カード』みたいな話の紹介になってしまった。目指す到達点がぜんぜん違うんですが。

主演のブライアン・クランストンは大ヒットした『ブレイキング・バッド』シリーズのウォルター先生を演じてた人でして、目を中心とした表情とキレ芸が私すごい好きで、完全にこの人の演技目的で観に来た観ある。後は作家もの・エル・ファニングの成長を確認、くらいの理由ですかね。

内容に触れながらの話なので、大小のネタバレ発言はしてしまうかもしれません。ブルース・ウィリスが実は最初から〇〇だったんです! みたいなことは言わないつもりですが、
〈私「何々がこうで……」読者「(え? ってことはつまりこうじゃん!)」〉
みたいなことは起こりうるものと覚悟してください。
予想出来てしまったら予想外の驚きは起こりませんからね。

二次大戦が終了し米ソは冷戦をむかえ、資本主義が正しいと主張するアメリカでは共産主義者はソ連と同思想でありすなわちソ連のスパイの疑いをかけられ危険分子のそしりを受けるわけです。まあ実際にトランボは共産主義者である自覚があるんですけど。デモもするし。いわゆる確信犯だったんです。デモ=犯罪って考えは私にはないですが。

で、作中では「共産主義者は悪者、危険である・迫害されている」というナレーションでの説明(そういうの前提でお話を聞いてねタイプ)はあるものの実際になにか暴力的な行動に出たりというシーンはなかった……ように思う。すごく紳士的なロビー活動はあったけれど。

キングブラザーズスタジオのオーナー(監督?)の「虫男が政治を語る脚本なんて作るんじゃねえ! オレは虫男と娼婦がセックスする映画が撮りたいんだよ!!」みたいなもう意味分かんないくらい清々しい主張もおかしかったんだけど、そのあとの練り直し案でセックスする理由として「宇宙から来た虫男は女性に自分の子供を生ませて地球上を侵略しようとしてる」てっいうそれまんま『スピーシーズ』ですよ兄さん、の流れからの

「じゃあこうだ。宇宙から来た虫男は娼婦に恋をするんだ。星に残してきた彼女にそっくりだったから」
「娼婦の顔が虫女に似てるのか?」
みたいな脚本家同士でよくやる案出し→否定の与野党協議ごっこも面白かった。

海の向こうのコラムニスト

性コラムニスト(批評家)としてヘッダ・ホッパーというおばちゃんが出てくるんですが、向こうのコラムニストっていうのはそりゃすごい影響力を持っているようで、
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でも似たようなポジションでコラムニストが登場しました。この人の評価が悪いとほとんど負け戦になる、みたいな。映画専門なのか舞台なんかも守備範囲なのかまではちょっとわからなかったんですが。

どんな影響力かというと「私がこの映画つまんない見なくていいって書いたら、客足は80%失うわよ」みたいなこと平然と言って、実際にそれに近いことを実行できるんですよね。times誌の表紙飾るくらいの人ですから。
だからおいそれと文句は言えないし、みんなおべっかを使ったりするんですよ。

これが
私は圧力お金で信念は曲げません。つまんないものはつまんないって言う!

みたいなスタンスだったらまだ共感もあるんですけど、共産主義者ヘイトの私情で動いてるから完全に悪役。悪役に見えて正解なんですが。

こうゆうの日本ではちょっと当てはまらないような。

すぎがこの映画最高とか最低とか言っても何%が選択を変更するだろうか。町山智浩は。宇多丸は。前田有一は。

むしろきゃりーさんなんかが「あの映画ちょーおもしろー」なんていうとそれだけで客足が伸びることはありますよね。パブリシティってやつです。

「100円で24型のパソコン買えました」って誰の発言かわからないテキストよりもほしのあきが「プラズマクラスタをオークションで安く買えました♪」のほうが求心力があるじゃないですか。

結局、広報の出来がすべてなのかよ……

なんて思う次第。

う思うと多くの信者を抱えながら、不買活動や購買活動両方に先導できるコマを持つやらおん筆頭のまとめサイトなんかは現代的に近しいポジションなのかもしれない。制作のおべっか含め。
やらおんとかをコラムニストと呼ぶのは反吐が出るけど。

ピントぼかしの演出がぐっときた

業界側、体制側についてトランボをいじめてきたホッパーもついにカウンターを食らうんですが、自室であるニュースを聞いたときのアングルとカメラの使い方が良かった。気持ちよかった。

ピン送りという撮影方法がありまして、動画を見ればああこれね、となってもらえるかと。

トランボ 映画 

なつ「画がうまくなってる」

──スピードは上がってる気がする。

人にピントがあっていて驚きの表情。
からの──とくれば奥のピンぼけしている被写体にピント合わせたくなるところですが、ずっとホッパーにしかピントが合わないまま。
でもTimes誌が後ろに飾られていることは視聴者みんな気づいてるんですよ。

これはTimes誌という過去の栄光が霞んだままだって表現。もうホッパーのコラムには影響力はなく、神通力は消えてしまったと。

のためにと共産主義者は排除しようとしていた彼女が、

元共産主義者が脚本書いて、元共産主義者が主役を演じた映画を、共産党に批判的だったジョンFケネディ大統領が「良かったよ」なんて言った日にはそりゃ後ろから刺されたようなもんでしょう。

最初の五分位は「やべ、これ面白くならんかもしれねえ」とか思いましたが、二時間が割とさらっと終わってしまった映画でした。

ダルトン・トランボの作品について全然話してなかったなそういえば。『ジョニーは戦場へ行った』はオススメもしにくいので、まずは『ローマの休日』からいかがですか?

by カエレバ