【アニメ】ポスト『最終兵器彼女』作品として観るべき『終末なにしてますか?-』について読んでもらっていいですか?

【この記事のこと あなたの周りにも拡めてくれたら それはとってもうれしいなって】

終末なにしてますか?1話

感じたのは懐かしさ。

あの時代の空気を含んで、咀嚼して、吐き出してはまた吸い込んで、ついぞ誰も口にしなくなった「セカイ系」の息吹が2017年にして再度吐き出された。息を吹き返した。

なななんて、急にこんなことを言いだせばネットの向こうの諸氏はクサいと思うだろうか。現にクサイことを意識して書いているつもりなので正しい反応ではあるが、そのブラウザの蓋をする前にもう少しだけ我慢して欲しい。

その昔、突発的に湧いたセカイ系への定義論争から始まり様々な論旨や過去作品への分析はしかし一方で、その作品の特性ゆえか一部では煙たがられました。作品外部にまで広がった、作品の外部まで内包してしまったセカイ系ムーブメントは消費されてゆっくりと第一線を退いた──観があった。個人的な感想ですが。

時は流れ「セカイ系」の別解釈、というよりはあきらかに誤用・曲解の類の文言などを見るにつけ、ぷるにえ氏から随分と経ったんだなあという思いと、歴史なんてものは簡単に変容するということを改めて思う。生唾を飲み込むような不甲斐なさを感じながら。

そもそもが定義揺れをずっと伴っている言葉ではあったわけだけども。

そんなアニメ史のうえに輝いた「セカイ系」系譜のランドマークである『最終兵器彼女』を経て生み出されたであろう作品『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?(原作:スニーカー文庫)の第一話がすこぶるぁぁぁl良かったよって話です。

「シュウちゃん……わたし……、いまロッテって女の子の役演じてる……」
(『最終兵器彼女』の ちせ と『LWA』のロッテはどちらもCV:折笠富美子なのだ)

ポストもパストもごちゃまぜに

「こいつpostとpastを勘違いしてね?」と思われるまえにことわっておくと、それは二年ほど前までの話である。今は違う。いまはあえて混同したような使い方をするときがある。

大まかには「ポスト」は「役職・位置」と訳せる。
ポスト小泉、なんていう場合は「小泉のいる役職」と意訳できる。この言葉が一番多用されたのは当然ながら首相の任についていたとき。

そして「パスト」は「過去の~・以後の~」などの意味で使う。
通り過ぎるの「pass」の過去分詞あたりからきているはずである。主に名詞にかかっていたと思う。

これらを踏まえて、芸術論の範囲で「ポスト〇〇(作品名)という言葉が出てきたときには、文脈にもよるが、だいたいの解釈としては

「〇〇という作品を経ての〇〇に似た性質を持っている(幾つかの共通項のあるでも可)作品のこと」

……と受け取るのがおそらく一番齟齬がない。

あくまでも限定的かつ部分的な強調を目的として使うことを主としているので、単なる時列としてなら「以前、以後」を使うほうが間違いもない。

強いて補完するなら「〇〇の影響下にある~~」とするのが最適な解のような気がしてきた。最初からコレを言えって話だ。

つまりつまり、「ポスト『最終兵器彼女』※」と私が言った理由は、言わばこう。

『終末なにしてますか?-』には、『最終兵器彼女』および本作品にみられたセカイ系フレーバーが色濃く点在し、かつ自覚的に『最終兵器彼女』の後継であるという意思表示がうかがえたからである。

んー、自分でもよくわからん(オイ



※2000年に刊行された高橋しんの漫画『最終兵器彼女』──はセカイ系を語るうえでマストな一作。「セカイ系」のみならず「ゼロ年代」におけるスポットな作品でもあるので、やっぱりマスト。

 一話にみる『さいかの』らしさ


最終兵器彼女1話『最終兵器彼女』一話より

フレーバーというくらいなので、明確に「ここだ!」と挙げるのはちょっと難しい。出発点からして「なんだか『最終兵器彼女』を思い出すなあ(ウキウキ」程度だったので半ばでっち上げに感じるかもしれない。

いくつかある共通項・類似点をあげてみよう。

まず、女の子が戦う。戦地へと向かう。まだ向かってないけど、まあ向かうでしょう。プラス身体こそ兵器の要素。

ポイントとしては強制的に戦地へ「送られる」という点に注目したい。戦う女の子自体は今も昔も取り立てて珍しくはない。昨今は記号的な性差をコンセプトデザインの面から入れ替えただけのものとしての”戦う女の子”が散見されるがそれらは無視していい。
あくまで物語上の戦う女の子、戦う運命を背負った女の子。

あとは舞台規模がどうなっているかがセカイ系の範疇にならうものかの判断材料になる。
両作品も対峙している存在が不明である。(『終末-』はまだ一話なので謎なのは当たり前ともいえる)

戦っている理由さえも不明であり、仲間の規模、敵の規模も不明。肝心の部分に観客は触れられないまま物語の進行を眺める他ない。副産物でもあり意識的でもある「省略」なのだが、時代が時代なだけに説明不足・ご都合主義なんてレッテル貼りが得意げに飛び交うのだろうが、むしろ戦う本人の都合などおかまいなしである。

「彼女たち(彼たちは)本当に戦う必要があったのか?」の疑問なくしてセカイ系は語れない。

舞台規模といえばもうひとつ。作中の世界は現実世界に沿った世界とは違うテクノロジーが存在することもセカイ系の特性の一つだといえる。従来のセカイ系と『終末-』が少し違うと感じる部分としては異種のキャラクターと少なからず共生していた文明があること。

なんだかいつの間にかセカイ系の特徴の話になっていて『終末-』の内容と逸れているかもしれない。アニメ一話しか観てないのでご勘弁。

ともあれ、

作品世界全体への不透明さ、兵器と自称し戦場に立つ女の子、完結する自己内面への言及

などのセカイ系センテンスがちりばめられていることから、私は『終末-』はセカイ系なのだろうと判断したのだが、冒頭のパートのみでそれは十分にうかがえる。もしかしたら「導入としてのセカイ系」とか「セカイ系的な導入」と言い換えたほうが相応しいのかもしれない。

ヒロインが放つ「世界一幸せな女の子だ」という台詞がある以上、言い逃れは出来ないと思ってたりもするんだけど。

こういうのこそオマージュって言うべきだ

一話のド頭にモノローグがあって、過去(メイン軸の現在)の話に戻る流れも『最終兵器彼女』に重なる。さいかのでは語りはシュウちゃんだけど。

極めつけとして、これは意識してないわっきゃないなシーンが、OPのあとの街を一望できる高台です。『最終兵器彼女』でのメインの場所と言っても過言ではないあの展望台。
一話にして、二人であそこに行って別れて、の展開はなぞってるとしかいいようがない!

終末なにしてますか?1話 終末なにしてますか?1話 終末なにしてますか?1話 終末なにしてますか?1話
『終末なにしてますか?- の展望台のカット』

最終兵器彼女1話 最終兵器彼女1話最終兵器彼女1話 最終兵器彼女1話
『最終兵器彼女』の展望台のカット

どうです、これは意識してますよ。(パクリとか微塵も思っておりませんよ)

このなぞりから『終末なにしてますか?-』が『最終兵器彼女』のあとの作品、ひいてはそれを受けて生み出された作品であるうえで、比較されるのは承知のうえで、これからどういった物語を展開していくのか。私気になります。



 
アニメ『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』公式サイト
http://sukasuka-anime.com/
 
『最終兵器彼女』の公式サイトは閉鎖してなくなったようです。
『最終兵器彼女』のwikiのページ