【アニメ】スクールガールストライカーズ2話における狭い室内のイマジナリーライン跨ぎ

【この記事のこと あなたの周りにも拡めてくれたら それはとってもうれしいなって】

スクールガールストライカーズ2話

椎名林檎『無罪モラトリアム』を聴きながらの執筆で非常に気分がいい。
折田(兄).exeは元気です。

冬クールの変わり目になってようやく『スクールガールストライカーズ』(SGS)を追っかけ始めました。三話まで観ました。サントラがなかなかいい。五拍子のやつ。

これはあれですね、遠くない未来にスロットの実機か何かになるやつですね。いつなるかって言われるとわかりませんが、利根川方式で言い切ります。(いつか)絶対になる」

いい沢城みゆきがいる。沢城みゆきの声でも好きな声域かつ好みのキャラクター。
バレーに向いてなさそうな体躯含めて、ぐへへ。

沢城みゆきの”艶やかな女性A”系の演技はあんまり好きじゃないんですよ。不二子とかシンフォギアの博士(?)のような。そっちよりは神原駿河のような”清純”さこそが沢城みゆきの真骨頂なんじゃないかと私は思いますね。

イマジナリーラインの話しましょ。

イマジナリーライン跨ぎについての私なりの考え

イマジナリーライン
『パプリカ』より

イマジナリーラインとは? なんてのは今更こと細かく書かない。時間が惜しい。

イマジナリーライン(通称I.L)について昔記事に書いたんですが、久々に読み返すとひどい内容だった。あんなもので何か伝えられると思ってた二年前の自分を「電話レンジ(仮)」にぶち込んでやりたい。勉強したい人のやる気をガリガリ削ぐような代物でした。

その線を飛び越してこい!~イマジナリーライン解説編~
ブリュンヒルデのラジオ終わっちゃいますね、寂しいなあ。 ずいぶん間が開きましたが何の話でしたっけ?...(以下略

個人的な前提のようなものだけ挙げておくと、

  • I.Lを跨ぐ・越えると、観客は多少なりともショック(衝撃や驚き)を受ける
  • 観客は常にI.Lのこちら側にいるので、(普段は)”跨ぐ”という行為は意識の外にある

このふたつです。これは定義などのそれとは別のものです。
跨ぐことの是非は説いてません。

この間、「そんな演出技法がどうこう目くじら立てながらアニメ観て楽しい? チノちゃんぶひいいって楽しみ方できんのか?」って2ちゃんのスレで言われたんだけど、別にずっと意識の前のほうに技法を残して観てるわけじゃないんですよ。演出が出てきて初めて「あ、いまのマッチカット」と脳内のナニカが超高速で呼ばれるだけで。

誰だって「今日は〇〇先輩と会えるかな」と思って道玄坂歩いたりしないですよ。
坂を登ってて〇〇先輩と出くわしたから「あ、〇〇先輩だ」となるだけ。そういうことです。

まあいいんですよそんな愚痴っぽいのは。

つまり私たち(クリエイター気質という鎧を脱いだワタシたち)観客は、観客の目の代役であるカメラがイマジナリーラインを超えたときに初めて、イマジナリーラインの存在と越えたことをより濃く認識するんだと思います。実写だろうがアニメだろうが。(注:ラインを越えずとも画面のなかにイマジナリーラインを思い描くことは可能ですし、超えた側からの画も想像はできますが)

その”イレギュラー”が起こったとき、あるいは作者が”イレギュラー”を起こしたとき、観客はその意味を考えます。イマジナリーラインを跨ぐという行為は物語を進めるうえではノイズでしかありません。もう一度言います。「ノイズでしかありません」つまりノイズの意味を考えるんですな。

I.L越えはノイズでありスパイスである

イマジナリーラインは映像面のさらに編集の項なので、あくまでも演出・飾り付け・彩りなんですよ。イマジナリーライン越えで物語を語ることはできない。できるのは示唆くらいのもの。示唆めいたもの、ですかね。曇りの天気、落ちる花びら、ひびの入ったガラス、陰と日照での分断、これらは文章化できます。だから取捨選択はあれど物語に絡んでいけます。その点でやや性質が異なっているものだと思ってます。

だからイマジナリーラインで観客に示唆させたものがのちに事実になるのはいいとして、その事実に作中のキャラクターが気づけているのはダメなんですよ。それは作者の失敗。

そんな理由で、「イマジナリーラインを超える行為」は物語の進行には乱暴に言ってしまえば不要なわけです。

不要なものを突き詰めていくと、そもそも物語に映像は必要か、文だけでよくないか、もっといえばサブキャラクターの感情描写は必要か、過程は必要か……、となってゆくゆくは「オチだけ教えろ」になっていく。

しかし、そこは娯楽。効率と結果の世界じゃない。寄り道もけっこう。鶏ガラみたいな女性よりほどよい肉付きが幸せを与えてくれるんです。私の場合は。

反証的には、そんな「遊びや余剰」も作品としてプラスにはたらいているとなればもはや不要とはいえなくなるんですけどね。

結局のところ、映像にしろ音響にしろ文章にしろ演技にしろ、観客が「かっくいい」「かっこいくない」か、どう思うかの判断でしかないところに行き着く運命なのかもしれない。悲しいかな。

SGSの2話におけるイマジナリーライン越え

うえで言ったように、効果として気持ち良いかどうかの判断になるんだけど。

二話、美山椿芽の部屋に夜木沼伊緒がトレーンングのスケジュールの提案持ってくるシーンですよ。物語として初めて椿芽の部屋が出てくるシーンでもある。

スクールガールストライカーズ2話

俯瞰の画。奥のカーテンと机がフレームインしてはいるけど、やっぱり椿芽と光源に目がいくし、部屋の全体像が把握しにくくて引き画としては不親切。

スクールガールストライカーズ2話

椿芽の寄りになってノック音。伊緒、襲来。

スクールガールストライカーズ2話 スクールガールストライカーズ2話

ドア開けるgif

椿芽が左からドアに近づいていって伊緒登場。カメラが伊緒側に回る。ここでもソファは映らない。

ここですよ。マタギポイント。

スクールガールストライカーズ2話 スクールガールストライカーズ2話

この二枚のカットの切り替えの間にイマジナリーラインが跨がれたわけです。

 イマジナリーライン6

イマジナリーラインを書くとこんな感じ

それがなんのカットも挟まずに右の画像のカットになる。二人の位置関係も変わっている。
私の感覚では客人を部屋の奥には置かないんですが……。

イマジナリーライン想定

椿芽伊緒はカメラ位置と方向。下から上に移動します。

観客の頭のなかではこういう部屋のイメージができあがると。部屋の全体の描写がないから広さも家具の配置もわからない。ゆえに効果(勘違い)があったのかと。

そうして訓練の話が進み伊緒が部屋を出ようとすると、あらぬ方向に伊緒が歩きだす。

スクールガールストライカーズ2話 

「どこいくねーん!?」gif

そっち部屋の奥ちゃうんかい。
と同時に奥のカーテンも映り「あ、そうか」と気づく。

イマジナリーライン5の実際

実際の二人の動きとカメラはこうなっていた

この位置のソファに違和感なく座らせるなら、①伊緒が座るところまでカメラで追う②ソファに座ってるときに俯瞰あるいは大きい引きでベッドなどとの位置関係を示す③二人の位置関係が交差する瞬間を撮る、などいくらでも方法はあるでしょう。

「カメラから見て」の考え方で補足

スクールガールストライカーズ2話

←左が部屋の奥、右が玄関→ だったのが……

スクールガールストライカーズ2話

←左が玄関、が部屋の奥→ になっている。

このあとは二人の間にカメラが入ってリバースショットで収束。

スクールガールストライカーズ2話 スクールガールストライカーズ2話

以上、二話のイマジナリーライン絡みのシーンでした。

話逸れますが、ちょっと『パプリカ』のホテルっぽさありましたね。そんなことない?

by カエレバ

パプリカはAmazonビデオで視聴できます。みんな、観れ!

スクールガールストライカーズ、継続

あんまり立ち位置とか向きとか気にしない人が動画を撮ると、イマジナリーラインが食い違って話として繋がらなくなってしまったり。違和感はあるんだけど原因はわからない……みたいな困ったことになるのはよくあることです(何を偉そうに

さきほども言いましたが、かっこいいかどうか、無駄に混乱させているだけで終わってないかが重要なんだと思います。

騙される心地よさがその”跨ぎ”にはあるのかどうか。

ミスってI.Lを越えてしまったのか、ギミックとして越えたのかは難しいところで、最初は「おい!! 体鍛えるってレベルじゃねーぞ」なんて貶してやろうかなって下心があったんですが、この記事書いているうちになんだか好きになってきました。光源の扱い方からしてどうやら作為的ですし(俯瞰-伊緒が訪ねてきたカットでソファの横のランプを隠しているあたりで推測)

脚本:吉岡たかを

絵コンテ・脚本:錦織 博

演出:橋本 敏一

一話に続いて錦織氏のコンテでした。一話、図書室での怪談のくだりでも立ち位置が変わったりカメラがころころ移動したり、森田芳光ワールドみたいでしたけど錦織氏のクセなんでしょうか。

お話は別段面白くはない

この伊緒との会話シーンにおいても、「でも」を二文の間で二回しかも同じトーンで使っちゃうってのが、どうなんだっていう。どうなんだっていうかダメだろ!」を遠回しな表現で言ってみただけですが。

お話の流れとそれにつながってくる会話、それとは関係ないけど楽しい会話のバランスがひっちゃかめっちゃか。私はいま何を魅せられているんだろうか? って気持ちがぽんぽん浮かんでくる。

今のところの見どころはOP冒頭のユニフォーム姿の伊緒のバウンスですね。
あれはみんな観たほうがいい。餓狼伝説2がしたくなる。

まあまだ三話ですしおすし。これから楽しくなってくるといいなあ。

by カエレバ

スクールガールストライカーズ公式サイト
http://sgs-anime.com/