うえぃよー!ウニとイクラ お待ちー。 つって。
「うえぃよー」を”剃毛”に「間違いない」を”闇売買”に置き換える思考実験を自らに科してふたりのMC(UZI氏とZEEBRA氏)の司会進行を聞くのが最近の嗜み。全く会話が成立していないところがまた逆に面白い。
そんなフリースタイルダンジョンのモンスター面々がようやく関西に来ます。来てくれます。大阪心斎橋SANHALL。ちょい思い出ありのサンホール。
モンスター全員でのオリジナル楽曲をひっさげてのリリースイベントということです。
「もしや、2017年の『証言』が生まれるのか?(掌幻は……?)」 なんて心持ちですが、いやはやどうなんでしょう。楽しみです。Dungeon Monstersの『Monster vision』今度Mステにも出るらしいし。
「いつまでも あると思うな 親と前売り」
なんて言ってる間に大阪のチケットは売り切れてしまいました。スパッと売り切れるもんだと思っていたのに先行からソールドまで結構時間かかりましたね。東京の方はまだ枚数残っているようで、R-指定の見据えていた”未来”も案外近いのかな、なんて。やっぱりYoutubeが入り口かつ私有地な客層は財布の紐が堅いのかな?(偏見と煽り
もしかするとチケット復活があるかもしれないので念のためローチケのページにリンク貼っときますね。
思い出したようにフリースタイルダンジョンの話でもしよう。
R-指定とT-Pablowの掛詞メソッドを数式分解しようと思った
目についたのがこの二人だったという理由だけで、もっと始祖的な人物はいるんだと思うんですが、モンスターダンジョン繋がりってことでここはひとつ勘弁して欲しい。
断っておくと、思いついたことをまったく整理しきれていないままぐだぐだ書いていくのでおそらく面白みや発見はないと思います。結論が出せるかも保証しません。思いつきなので付き合うだけ時間の無駄かもしれません。(ドロボー!)
まずはR-指定
呂布カルマのバトルでみせた「増えていく11、増えていく22、増えていく33……」というものがありました。これは式に置き換えると[ax+ay+az…]とかそんなことになってる、はず。
aが比例定数(?)なる部分で”増えていく”にあたるわけです。ついてきてますか?
で、T-Pablowの場合はわかりやすく掛け言葉。むしろ「掛詞」になってる。
どこで出たかもう忘れてしまったんだけど、「決してつかねえ 膝と嘘」ってやつですね。まだ現場が新木場agehaに移る前だったと思います。新システムになってからもこの掛詞メソッドが聴けたんだけど、それもどのバトルか覚えていない。致命的に記憶が定着しない病にかかっている。
ともあれ、「決してつかねえ 膝と嘘」の式はどうなるのかというと──
a(x+y)になりますね。 a=”決してつかねえ”。 はい、なるんです。
なつ「お前の頭のなかではな」
この「-膝と嘘」も分解あるいは翻案すると「膝は決してつかねえ、嘘(も)決してつかねえ」な感じですか。これはまったくスマートじゃないので件の「決してつかねえ 膝と嘘」になっているわけですが、要はR-指定もT-Pablowも構文はほとんど同じ構造になっているように思える。
[ax+ay=a(x+y)]
この構図。因数分解ならぬ”韻”数分解。言いたいことはこれだけだ。
左からいけばR-指定、右からいけばT-Pablow。つまりこれがラッパーによるアプローチの違い=ラッパーの個性なんじゃないと。
(もしかして、すげー当たり前なことをすげー偉そうに言ってるんじゃないか私……)
並列配置と縦列配置
ただ、アプローチの違いと言ったものの、厳密にはR-指定のxやyには物語性・横向きの連続性があってT-Pablowのxやyには連続性はない。しかし関連性はある。そこを繋ぐのが「比喩表現」であり先述の「掛詞」に話を戻したいところ。
念を押しておくと連続性があるから優劣が決まるわけではない。車にはタイヤがあって水上バイクにはタイヤはない、とかそんな表現レベルの話です。むしろ関連性の飛躍が掛詞の醍醐味であるのは自明の理だったり。
話を戻そう。
R-指定のアプローチは何かの事象Aが前提にあって、それを提示した(された)後に「増えていく……」の畳み掛けを仕掛けることになる。
簡単に思いついた例でいえば、大金を得た、という”事象A”があって、「増えていく体重、増えていく食費」みたいなこと。最後にはこの流れをひっくり返すパンチの効いたラインを作れたらいい。で、この食費と体重の関係性はやはり近しい。「罪と罰」「富と名誉」「努力と根性」のような括りと同様、ベン図であればふたつは内側に属するワードになるはず。
A→x.A→yのような、親と子のような繋がりで構成される。
T-Pablowのほうは事象A(前に出ている話題、とかのほうが相応しいのか?)に掛かってくるのはxあるいはyのどちらかであり、仮にxを軸にしたアンサーなりラインをつくる場合にxを味付け際立たせる目的での”y” と ”yとxを等式でつなげるような”aを持ってくる。それが遠ければ遠いところから持って来るほど飛躍的でウィットに富んでるってことになるんじゃないかな。飛んでるし、富んでる。
A→x.a(x/y)(うまく式化できない)
さすがPabっち。
なつ「ぱぶっち……?」
ユニット名がたしかダブルWINっていう……すみませんフザケすぎました。鼻に割り箸は勘弁してください。トトロ居ました!
そんなわけでやっぱり まとまりも落とし所もみつけられないので、この件しゅうりょー!!
「膝と嘘」を踏みにいくために
「-膝と嘘」は脚韻で嵌められたライムだったと記憶してますが、とにもかくにも若いシーンでよく見かける印象の、『脚韻一辺倒』にはこのところ飽きてきてまして、しかも「なんちゃらかんちゃら 最☆終☆兵☆器↑」ってきたらもう「うんたらかんたら 『あいうーえーいー』」で踏んでくるんだろうな、みたいな予知夢に襲われるまでに。そこでケツだけバイブス吹き込んで煽られてもねぇ、な状態ですよ。贅沢なのかもしれんが。
だから助詞の部分をずらすとか、句節をずらすとか、そういうことしてほしいんです。言うのとやるのは大違いですが。キングギドラ(3:3)を韻踏めコラ(2:2:2)に変換するのかっこいい。
えっと、膝と嘘でした。
「ピザトースト」ってワードが出たとしましょう。
日曜の朝はピザトースト(なにこのライン……)
「ピザトースト」のひとつめの”ト”を助詞の「と」に変換するんですよ。格助詞の「と」でも接続助詞の「と」でもどちらでも自由に。
「ピザ と ースト」これで2-1-3のモーラに分けられる。あとはピザを膝に変えてーストは嘘にすればいいんじゃないですか(投げやり
これがひとつ。難易度低め。
もうひとつは先に助詞の一覧をブワッと出して、さっきの「ト→と」の流れを「ト→オ(o)」にまず変える。オの音の助詞もいっぱいありますから。「の」でも「も」でも選べばいい。
そうやって少しだけ手の込んだやり口で踏んできたらアガりますね、私は。
「アサルトライフル」を「アサルとライフル」に変えて、「記憶を漁ると退屈な毎日」みたいにすればカッコがつくんじゃないですか。オレが14歳のころには踏んでたとか言われっかな。「-な毎日」とか続けたらもはや脚韻ですらなくなってるんだけど。韻は忍ばせてこそ、なスタンスで。
「いまここで踏 み ま し た よーーっ!!」みたいなのはあまり好きじゃなくて。お客さんを騒がせる間まで計算して作りあげてライミングする技術は素晴らしいとも思うんですけど。
眠れない夜中に思いついたライムの分析でした。
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どうしてフリースタイルダンジョン公式がyoutubeに投稿しなくなったのか、といった辺りの話も掲載されています。まだまだ奥が深い日本語ラップの世界。