【アニメ】ジャンプカットについての諸々の考えまとめ【映画】

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無彩限のファントムワールド第一話

ジャンプカット時の画面動、あり? なし?

で、話が前後しますが……

では「ジャンプカット演出にどうして画面動を挿し込んでいるのか」について考えてみると、第一の見当としては

  • フィルムの切り貼りが如実に現れるようにカットのぶつ切り感を強調する

これがやはり一番の狙いなのかなと。

原画と背景は別セクションなので、カットごとにズレが生じてしまった、ということは基本的にない。あればそれは一種の事故。つまりこれは作為的な画面動であり、ズラシた意味と意図があるんです。うおっまぶしっ!

と、そこまではスムーズに推量がはたらくものの、そこから先は特に思いつかない。

「ここまではっきり大味でやってやらんとキッズは作画ミスとか言い出すからなあ」的な……そんなことが? すみません私の悪い選民癖がまた出てきました。

あるとすれば、そもそも制作側がFIXで撮っている感覚がなく、ステディカムでの撮影のような画面づくりを想定しているパターン。このパターンは可能性ありそう。

というのも、

始祖的なゴダールの『勝手にしやがれ』も、全編通してカメラマンがカメラを担いでの撮影なので、常にフレームは緩やかに左右上下に揺れている。厳密な”FIX”というものがない。

そんなカメラ環境による撮影→ジャンプカット編集なので、出来上がったフィルムは背景もピクっとズレ移動したような画になる。先程から口すっぱく繰り返している”画面動”の画に近いものがある。

ゴダール『勝手にしやがれ』gif

尾行者を尾行するシーン。最後にベルモンドへフォローするカメラが最強。

ゴダール『勝手にしやがれ』gif

アメリカン・ジョークinフランス

背景ごと一緒にスパッと動いたほうがフィルムが途切れている感じは出しやすい。
後ろの車なんかが消えたりしちゃうと一目瞭然。

ゴダールはカメラによる制約があっての”背景ごとカット”でしたが、昨今のアニメにその制約はないので、動かす必要がないと言えば、ない。

そこで先ほどの「FIXとして撮っていないんじゃないか説」として、もうひとつ『終末なにしてますか?-』の第一話からジャンプカットをどうぞ。

『終末なにしてますか?-』第一話gif

こっちのジャンプカットは一連の「地図持って迷子アクション」の最後に、二人にフォローが入る。フォローっていうのは、カメラが被写体をフレーム内に留めるためにカメラを動かすことです。ズズズイッと左下に流れるでしょ、これがフォローの動き。

フォローするってことは(そこに限っては)もうFIXとは言えないわけで。

手持ち感が出ているなあ、カメラマンの存在を意識してしまうなあと思ったりする。ただ、手持ち感/ステディカム感は出ているけれども、そのことによる「気持ち良さ」はあまり見出だせない感じ。残念。それならジャンプカットを仕掛ける最初からステディカムっぽく揺らしを入れるものアリだったんじゃないか? と思わずにはいられない。

画面動の方向にも注目

ステディカムっぽさ演出はともかく、「ここで切れてますよ」のための後押しとして画面動を併用していると思わしきジャンプカット諸々ですが、さすがの京アニと言いましょうか、ジャンプカット慣れしているのか、見事に構成が整理されている。

『無彩限のファントム・ワールド』第一話gif

一条晴彦が階段を駆け上がります。
断っておきますが彼は瞬間移動の能力者ではない。(いまさら

このフィルムが飛ぶタイミングですが、晴彦の動きは中腹で右へ移動し上りきる直前に左に振られます。

無彩限ファントムワールド 画面動

それに合わせて画面動も、右に行ってから左に戻ってきます。ノートに手書きしたのがそれ。

画面動の動きが、キャラクター(被写体)の進行方向/重心移動への動きに沿うよう合わせているのです。おそらくはミリ単位でキャラクターの移動距離比率と画面動との比率が計算されている気がする。恐ろしい。

いっぽうの『終末なにしてますか?-』は、(もういいだろ)キャラクターが奥に飛んだり手前に戻ったりのベクトルと、背景のズレる方向がマッチしていない。キャラクターが奥から中央へ、左下に向けられたベクトルで移動しても、背景は左上に向かってぶれている。下のgif参照

『終末なにしてますか?-』第一話gif

だからなんだか観にくい画面に、ほんとにぶつ切りなだけのカットの繋ぎになってるように感じるんだと思う。ズラシの幅が『-ファントムワールド』に比較すると少し大きいのも要因ではあると思いますが。

ジャンプカットについて書いたあとのまとめ

最初に言いましたが、なにか結論めいたものは提示できない。ははは。

強いて言うならば、

  1. ジャンプカットに画面動(背景ずらし)が併用されるパターンがあることに最近気づいた
  2. 京アニは被写体の移動リズムを踏まえたうえで画面動を行っている可能性あり
  3. 「画面動」を使わなくってもジャンプCは一般的に気づきやすい部類だと思う(根拠なし
  4. フォローしながらのジャンプカットの参考資料として『勝手にしやがれ』を再見したけど、ほんとに探していたのは『勝手にしやがれ』じゃなくってウディ・アレンの作品のどれかだった

それをグダグダ書いてしまったわけで、またそのうちに追記訂正の嵐になるかもしれません。一旦はゴールにたどり着いた気もする。

そんな感じで〈ジャンプカットについての諸々の考えまとめ〉でした。

おしまい。



【参照リンク】
wikiページ
ジャンプカット
 
【紹介作品】(GIF使用)
『青春デンデケデケデケ』
『灼熱の卓球娘』
『無彩限のファントム・ワールド』
『勝手にしやがれ』
『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』